佐土原知子先生の「新 やさしいピアノ伴奏法1」のご紹介です。
スリーコードを習得して、現場で使える両手伴奏につなげる
この教本の秀逸なところは、スリーコード(主要三和音)にとことんこだわって、
初めてコードを習得する人にも分かりやすく解説しているところです。
3コードの機能的な特徴や、つなぎ方、ドミナントモーションなどの
説明も、非常に分かりやすいです。
また、長調・短調の3コード一覧表は、コード奏初心者の方には
見やすくて、非常に使えるものだと思います。
実際、合唱や保育などの現場では、
「右手メロディー+左手伴奏」という伴奏形態の他に、
「右手伴奏+左手ベース」という伴奏も活用する必要があります。
この項では、ベース(左手)の使い方から、最も大切な「コードの連結」
まで、各種調性を用いながら、有機的に学習することができます。
伴奏法にとどまらず、楽典としても秀逸
楽典の本としても非常に素晴らしい教本です。
例えば、音程の図による分かりやすい説明などは、
難しい楽典の定番本よりずっと分かりやすい解説ではないか、と思います。
また、「トライアド」「ドミナント・セブンス・コード」「オルタネート・ベース」など、
基本的なコード奏の用語などもこの本でおさえることができます。
ピアノ講師や学校教諭は必携の一冊
表紙にもありますように、この教本は、学校用やレッスン用教材に最適です。
この教本はまさにピアノ指導者も必携ではないか、と思います。
今は、保育士や幼稚園教諭を目指す人も多く、ピアノの先生の中には、
少なからずそんな大人の生徒さんを抱えている方も多いでしょう。
実際、保育の現場で使えるのは、譜面を見て弾くことよりも、
「伴奏する技術」
「アレンジの技術」
「歌いながら弾く技術」
です。
これらを教えるための教材としても、この本は非常に有効です。
コードを基礎から勉強したい方に
また、コード奏はなんとなくできるけど、実際にきちんと勉強したことがない、
という先生にもお薦めです。
普段のレッスンで、子どもたちに歌わせるための伴奏は、マンネリ化しやすいですが、
これはいろんな伴奏のバリエーションをストックすることで解決すると思います。
この著書では、巻末に「いろいろな伴奏形」が載っていますから、
ぜひ参考にしてみてください。
ピアノ指導者も、一冊身近に置いておきたい教本ですね。
※「新 やさしいピアノ伴奏法1」
※現在、ピアノ教室運営のエッセンスをメールマガジン「成功するピアノ教室」にて執筆中です。
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