- 野平 史彦
- 株式会社野平都市建築研究所 代表取締役
- 千葉県
- 建築家
対象:住宅設計・構造
純粋に高気密・高断熱仕様としての工法では、ダウ化工のSHSシリーズと''アキレスの外張り工法''がその代表的なもので、SHS工法は北海道でグラスウール内断熱による新在来木造工法が生まれた時にはすでにフランチャイズ方式で販売されており、現在、SHS-1から3までの改良が試みられています。
SHS-1は押出発泡スチレン・スタイロエースをボードの繋ぎ目をずらして2重に張ってゆくことで気密性を出しています。
次に改良されたSHS-2では先に防湿シートを張った上にスタイロエースを一層施工するという手順になり、SHS-3ではサーモプライという積層ファイバーボードを気密下地として施工した上にスタイロエースを張るという工法になっています。
アキレス外張り工法はもっと単純な工法で、断熱ボード(両面に防湿シートを複合し、湿気を通しにくくした硬質ウレタンボード)の目地に気密防湿テープを張るだけで防湿気密を図っています。
次世代省エネ基準ではこれらの工法の他に、軸組の外に構造用合板を張りその目地を気密テープなどで塞ぎ気密層とし、その上に硬質断熱ボードを張る方法、また、硬質断熱ボードを外張りした上に透湿防水シート(防風シート)を施工する方法が載っています。
内断熱と外断熱を比較してみると、その最も大きな違いは、内断熱が防湿シートによって外壁廻りの柱・梁といった構造体を部屋内から遮断しているのに対し、外断熱は構造体の外側に防湿断熱層を持つことにより構造体そのものを部屋内に取り込んでいるということです。
即ち、外断熱は内断熱における壁内結露問題を外壁の軸組自体を室内と同様の温湿度環境にすることで解消してしまおうというというものなのです。