- 野平 史彦
- 株式会社野平都市建築研究所 代表取締役
- 千葉県
- 建築家
対象:住宅設計・構造
外断熱の工法上の最も大きなメリットは次の2点です。
1) 障害物の少ない軸組の外側に連続して施工できるので施工性が良い(施工が簡単)。
2) 断熱性能が均質で施工不良個所の発生を防げる。
例えば、内断熱では、柱間に100mmのグラスウールを挿入した場合、柱自体の断熱性能はグラスウールの1/3しかないため、厳密に言えば木部でのヒートブリッジ(熱橋)が起きていると言えます(北海道ではもう少し断熱が必要なので、軸組の外側にも密度の高いグラスウールを外張りしています。)。
また、内断熱ではその気密防湿を図るために軸組を組み上げる段階での防湿気密シートの「先張り」や、在来工法での2階床根太掛けの変更等が必要であり、コンセントボックスやダウンライト等、壁空洞内に収まる機器が気密防湿層に穴を開けるため、その気密化が必要となるのに対し、外断熱では壁体内空洞は部屋内であるためそうした気づかいが全くいらないということも外断熱のメリットです。
さらに、和室を造ろうとする時、内断熱ではグラスウールが壁空洞内いっぱいに詰まっているためそのまま柱を見せて壁を柱内に納める、いわゆる「真壁」にすることはできず、付け柱などして部屋内側にふかしてこなければならないのですが、外断熱ではそうした心配もいりません。
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今月の船橋建築塾は、8月29日(土)です。
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