【いいネーミング】7 - 経営戦略・事業ビジョン - 専門家プロファイル

島田 千草
株式会社ノーメン・ジャパン 代表取締役
東京都
ブランドコンサルタント

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対象:経営コンサルティング

寺崎 芳紀
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(経営コンサルタント)
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閲覧数順 2024年04月19日更新

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【いいネーミング】7

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ネーミング ネーミングとは?
こんにちは、ノーメン・ジャパンの島田千草です。

『いいネーミング』シリーズ第7回目は、ネーミングに含まれるブランドパーソナリティーについてのお話です。

ブランドパーソナリティーとは、ブランド自身を人間の人格に置き換えることです。

自分をどのように見せたいのか、どんな自分でありたいのか、自分の望んでいる理想像を人格化して表現し、相手に想起させることで、ユーザーに機能的価値以外のメリットをアピールすることができるのです。

これを心理的価値、''エモーショナルに訴求できる価値''とよびます。

商品の機能性が優れていても、そのブランドを情緒的に表現できる何かが付加されていないと、ユーザーから識別性に欠け、面白みのない商品として評価されてしまうこともあります。



企業ブランドも全く同様で、例えば、信頼できるものづくりで定評ある日本企業は数多く存在しますが、社名や会社のイメージがすぐに頭に浮かぶ企業とそうでない企業に分かれてしまう現実は、残念ながら否めません。

ブランド力の強い会社は、商品の機能性のみで勝負しているわけではありません

ならば、どうやってブランドパーソナリティーを効果的に表現することができるのか?

その方法として、ネーミングの中に心理的エモーショナルな価値、つまり、人格や醸し出される雰囲気を注入し、ロゴやパッケージデザインに至るまで、常に''統一感のあるパーソナリティー(人格)をビジュアル面でも訴求''していくことが、第一に考えられます。


前回のコラム【いいネーミング】6で取り上げたタグラインなどにも、一貫したブランドパーソナリティーを反映させることで、人々は企業の全体的なイメージや、その企業が目指している方向性をよりはっきり理解することができるのです。

これで、タグラインにエモーショナルな表現が多いのも納得できますね。


もっと分かり易い比較として、例えば、店頭に機能性がほぼ同じ商品が2つ陳列されている場合、あなたは一体どちらの商品を選びますか?

(A) ネーミングやパッケージからブランドパーソナリティーがじんじん伝わって来る商品

(B) ブランドパーソナリティーがさっぱり浮かばないジェネリックで無味乾燥なくらいの商品

どちらの商品に面白みを感じ、関心を寄せることができるのでしょう?

大概の方は、ブランドパーソナリティーが明確に表現され、この商品を買ったらきっといいことが起こるかもしれないといったワクワク感や約束を与えてくれる商品(A)を選ぶことでしょう。


では、ブランドパーソナリティーをどうネーミングに注ぎ込んだらいいのか?

女性向け化粧品の場合、とりわけ基礎化粧品のブランドイメージでは、「美しさ」「''しなやかさ''」「''混じりけのないピュアさ''」を前面に打ち出し、ブランドネームにも、''ピュアで凛とした''イメージや、''洗練''、''エレガント''、''美しさ''、''フェミニンさ''、''潤い''を想起させるブランドが大半です。

例えば、ELIXIR(エリクシール)、AQUA LABEL(アクアレーベル)、雪肌精、FAIR CREA(フェアクレア)、EVITA(エビータ)、SOFINA(ソフィーナ)、BEAUNESS(ビューネ)など。

スポーツタイプのクルマの場合、ブランドイメージは、「躍動感」、「''スピード''」、「''運転することの歓び''」、「''情熱''」を前面に打ち出し、ブランドネームにも、''広がる鼓動やときめき''、''熱い想い''、''シャープさ''、''スリル''、''雄々しさ''、''野性味''を想起させるブランドが多いでしょう。

例えば、AXELA(アクセラ)、SKILINE(スカイライン)、FAIRLADY Z(フェアレディZ)、LEGACY (レガシー)、IMPREZA(インプレッサ)、OUTLANDER(アウトランダー)、LAND CRUISER(ランドクルーザー)など。


どちらの例も、ブランドパーソナリティーをネーミングに注入し、ロゴやパッケージデザイン、さらにはCMキャンペーンに至るまで、一貫性のあるパーソナリティー(人格)を、音の響きからビジュアル、イメージキャラクターの起用にまで訴求していることが、上記で掲げたブランドについても、思い浮かぶことができるはずです。

こうして、ネーミングにもそのブランドを象徴できる心理的価値、エモーショナルに訴求できる価値が必要とされるのです。

ネーミングを考えるとき、そのブランドのパーソナリティーをまず思い浮かべてみると、意外にもいろいろなアイデアやイメージが膨らみ、きっといいネーミングを生み出すことができることでしょう。




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www.nomenjapan.com