モグサはヨモギというキクの仲間の植物から作られます。ヨモギ(蓬)は道端などにもよく見られる植物なのですが、草餅(くさもち)の餅に混ぜる材料としてご存知の方が多いと思います。
モグサはこのヨモギの葉をただ粉にして固めたように思われがちですがそうではありません。
ヨモギの葉の裏を覗いて見ると細かくやわらかい毛で覆われている様子を見ることができます。この毛はTの文字形をしていることからT字毛と呼ばれています。実はモグサはヨモギの葉を乾燥させてからこの毛だけを丁寧に集め精製したものなのです。ですからモグサのかたまりは触ると綿のようにふわふわして、心地よいさわやかな香りがします。
このT字毛の形状と含まれる精油成分により、火をつけてもじわじわとゆっくり燃えるのであまり高温にならずに程よい熱が体に伝わるという訳です。灸師はこのモグサの固める強さや大きさを決めて熱刺激の強さを調節して患者様の症状に合ったお灸をしています。
鍼灸院にいらっしゃる患者様には、治療室に残るお灸の匂いを嗅ぐと落ち着くとおっしゃる方が多くいらっしゃいます。次回はお灸の香りの効果についてお話します。
鍼灸マッサージ治療室 銀座ルーチェ
院長 山田善章
03-6801-7064
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