- 山藤 惠三
- 有限会社エスオープランニング 代表取締役 クリエイティブディレクター
- 東京都
- クリエイティブディレクター
アルファドッグに見る、アメリカ、サバービアの憂鬱
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メディアと映画、ずっと楽しい関係。
気ままに映画・TVコラム
2009-07-07 07:45
若者たちです、
そして、
J・ティンバーレイクです。
ということで、
劇場未公開の傑作、「アルファ・ドッグ」のご紹介です。
ストーリーを簡単にお話しすると、
アメリカ、カリフォルニアの若者たちに蔓延しているドラッグカルチャー映画です。
罪の意識も、罪悪感も余り持たないどこにでもいる若者たちが、
ドラックに、パーティーに、SEXに明け暮れている毎日、
お友達感覚でドラッグディーラーをやっている男が、
お金の貸し借りから、いざこざに発展、
その弟を拉致して、その後、あらぬ展開に広がってゆき、身の破滅をきたすという、
なんとも救いようの無いストーリーです。
映画のストーリーとしては、よくあるお話しなのですが、
アメリカ、西海岸特有の雰囲気や、ストーリー展開、
まるで、その現場に居合わせているようなドキュメンタリーを思わせるようなキャメラワークに、
久しぶりに釘付けにされた映画でした。
証言者として、事件の周りにいた人々にもさりげなく登場させ、
犯罪映画の演出にも多分に参考になります。
このお話は、実際にあったお話で、
中流階級の若者たちの、最初は遊び程度で手に入れたドラッグが、いつの間にか中毒症状になり、
生活もお仕事も、そして人生も破滅してゆくと言うストーリーが、
リアルに感じてしまうのです。
主人公の、エミール・ハーシュがいい感じのヘアーメイクで登場します。
まるで、尾崎紀世彦さんみたいなもみ上げをぜひチェックしてほしいです。
そして、
主人公のお友達のフランキーをあの、J・ティンバーレイクが出演しています。
彼は、映画俳優というよりは、ミュージシャンとして有名で、
最近では、マドンナともコラボレーションするアメリカ西海岸を代表する、
ミュージシャン兼、音楽プロデューサーなのです、
彼が、さりげなく脇役で出演しているところなんかも、
今のウェストコースト文化、若者たちの実情を赤裸々に画面の中から、
その雰囲気がかもしだされているのです。
監督は、
ニック・カサベテスさんです、
あの、映画監督のジョン・カサヴェテスと女優の''ジーナ・ローランズさん''の息子さんとのこと。
アメリカ西海岸のサバービア文化が色濃く表現されている、
ちょっと終わりかけているアメリカ文化を肌で感じられる映画です。
アルファドッグ 評価=★★★★☆
関連資料:アルファドッグ、映画
実際にあった事件 :アルファドッグ、事件
サバービアの憂鬱:ある書籍のブログより