- 島田 千草
- 株式会社ノーメン・ジャパン 代表取締役
- 東京都
- ブランドコンサルタント
対象:経営コンサルティング
- 戸村 智憲
- (経営コンサルタント ジャーナリスト 講師)
『いいネーミング』シリーズ第4回目の中で、いい名前の条件を挙げましたが、今回は、Honda社のコンパクトカー・ フィットFIT を具体例として取り上げてみましょう。
新しいクルマが発売されると、新車のネーミングも、つねに人々の会話のなかに取り上げられ、賞賛されたり、非難されたりと、いろいろな扱いを受けるものです。
カーユーザーばかりか、老若男女クルマとは無縁の人たちも、街で新しいクルマを見かけたり、テレビコマーシャルで映像と共にロゴマークを見たりしても、そのクルマのネーミングに慣れるまでのしばらくの間、話題に上がることも多いはずです。
FITのネーミングは、
➢ 短さ アルファベット3文字で表現できる
➢ 親しみやすさ 分かり易いベーシックな英語
➢ フィット コンセプトにマッチしている
もう少し解説を加えてみると、
F - I - T
3文字のグローバルネーミングで、パッと思いつくのはGAPくらいでしょうか。
フィットと口ずさんだ時の音の短さも、コンパクトカーらしい特徴を表現しています。
また、フィットは、何の細工もない純粋な英単語です。
英語が理解できなくとも、世界中の人々が発音し易く、書き易く、覚え易く、親しみ易いベーシックな言葉です。
さらに、
クルマのサイズは、家の車庫のスペースに ''フィット''
クルマの価格は、私の予算に ''フィット''
コンパクトカーのコンセプトに、そして、''私に'' ''フィット''
コンセプトにぴったりマッチしているホンダのFIT です。
最後に、ヨーロッパ、東南アジア、オセアニア、中東、アフリカ地域では、「フィット」はJAZZ「ジャズ」のネーミングで販売されているようです。
詳しいことは分かりませんが、先願商標の存在あるいは、HONDA社の商標を含めた知的財産戦略の一環で、JAZZを採用したのではないかと思います。
商標上、登録可能であること
これも、「いいネーミング」の大切な条件です。
グローバルネーミング開発
世界へ挑むブランドネーム・CI開発
株式会社 ノーメン・ジャパン
www.nomenjapan.com