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ジオン軍の失敗(岡嶋裕史、アフタヌーン新書2009年)

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雑感 書評
今日は、私の世代には受けるかもしれないが、上の世代の方には
眉をひそめられかねない本を紹介したい。

岡嶋裕史「ジオン軍の失敗」(アフタヌーン新書2009年5月) です。

ファーストガンダムの放映から早30年。
ガンダム世界の奥行きは広がりを見せる一方ですが、リアリティを追求した
アニメは、製品開発の視点からも注目される失敗学が提示されたのである。
それが本書である。

本書をオススメするのは世代的なノスタルジックのためではない。

会社を経営していくうえで必要な知恵や方向性を示してくれるからである。

例えば、第4章「MS−09Rリック・ドム」では、サブタイトルとして、
「あるセグメントで成功した技術が、別のセグメントでも成功するとは限らない」
とする。
地上戦用として開発された名機MS−09ドムは、ホバークラフトを用いた
卓越した地上移動能力が、極めて高い戦果を上げた名機であるが、
宇宙戦用に改修したとしても、推進力を完全に入れ替えるとしても、
地上戦用に開発された基本性能は、宇宙戦用に求められるものとは異なり、
決して高い能力を発揮できたとはいえなかったのである。

また、第8章「MSM−07ズゴック」に至っては、
「仕様はどこかで決断しなくてはいけない」とサブタイトルを付される。
「技術者には、時に決断も必要である。
MSM−03ゴッグを受けて開発されたズゴックは、戦訓のフィードバック
に真摯に対応した設計がなされた。戦場を、つまり現場を見て開発が
行われることは、一般的にものづくりの現場に正に作用するものである。
しかし、それも程度問題であり、現場の声を聞きすぎた開発は、プロジェクト
全体の進捗遅延と、近視眼的な要件定義のリスクを内包する。ズゴックも
また戦機を逃し、量産機でありながら少数生産に終わる道を歩んだ。
高性能機も常に数的劣勢におかれ、不利な戦いを余儀なくされた。」
(148ページ)
と記されたように、タイミングよく現場に整備することができなかったために、
名機でありながら、たいした戦跡を残すことはなかったのである。
ズゴックの場合は、度重なる仕様転換のために完成が遅れたのだ。

ジオン軍の失敗の象徴的な間の悪さが第5章MS−14ゲルググである。
「投入するタイミングを失した技術はどんなに優秀でも成功しない」
というサブタイトルどおり、大量投入できたタイミングが悪すぎたのだ。

と、ガンダム世界におけるジオン軍の失敗を、データ(作品や関連資料)
をもって分析した本書であるが、大真面目に研究している点がいい。

私がガンダム世界に傾倒するきっかけは大学時代の友人J氏の影響であろう。
Z〜ZZに続くティターンズ、エウーゴ、アクシズの3つ巴の戦いの中に
世界の冷戦構造の本質を見たという彼は、現在、国際法の研究者として
K大学で国際法を教えている。
本書の著者岡嶋氏もJ氏と同じにおいがする人物だと思われる。

岡嶋氏やJ氏のような存在がガンダム世界のリアリティをさらに
深いものに進化させてくれているのだろう。

原作者である富野氏の想定をはるかに越えてしまったのではないかと
思いますが、アメリカでもスターウォーズの世界がエピソード9を
超え、小説で語り継がれている。

日本も大真面目に架空の世界観を共有する文化が生まれたのだろう。

馬鹿なことほど大真面目が面白い。

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