「品格経営」商売繁盛ニュース vol.8-1 - 会計・経理全般 - 専門家プロファイル

牛田 雅志
ブレインリンク・コンサルティング株式会社 
税理士

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対象:会計・経理

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「品格経営」商売繁盛ニュース vol.8-1

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商売繁盛ニュース
「品格経営」のヒント
世界中に喜びの種をまくために、「経営者の人格を高め、正しい経営を実践し、その事業を永続的に存続させる」品格経営と黒字経営を推進します。
品格経営のゴールは果てしなく遠いですが、「継続は力なり」を信じて、「ワンミリアクション」で歩みます。

信用は悪くなった時こそ築かれる

敬愛する品格経営者から伺った話です。
東京木場に係わり合いのある方にはお馴染みの話しかもしれませんが、ちょっとだけお時間をください。

1923年の大地震で関東が甚大な被害を受けたときのお話しです。
木場で材木商を営んでいたA社は大商いをしていたが故に、この地震による被害も相当なものでした。
A社は、お取引をしていた得意先から「こんな災害時に支払代金なんか払えねえよ」と売掛金を入金していただけません。震災により、在庫も倉庫も消・滅失し商売が立ち行かなくなった状況では、得意先の行為も当然のことだったと推察されます。
ただ、このA社の経営者は違いました。
「この災害でみんなが困っている。これまで商売を支えてくださったのは仕入先があってのこと。得意先からの入金はないが、仕入先にはきちんとお支払をする。」と決断し、すべての仕入先に支払をしました。
当然のことながら、資金は枯渇します。そこでA社の経営者は、メイン銀行である某都市銀行に資金の申し出をします。
「この危機的な状況を乗り切るために、資金を融通していただけませんか。私の信用に掛けて事業を再建させます。宜しくお願いします。」
でも、このメイン銀行はA社に資金を融通しませんでした。この都市銀行は自社の保身のためA社を切り捨てましたが、これも致し方ないことだったかもしれません。
ただ、ここである銀行の支店長がA社の経営者に申し出ます。
「あなたの経営をずっと見ていました。あなたの商売に対する真摯な姿勢はなにものにも代えがたいものです。あなたの会社に融資をいたします。」
この銀行とは、名古屋銀行という地方銀行です(名古屋銀行は、東海銀行となりUFJ銀行を経て今は三菱東京UFJ銀行に変わっています)。

これが潮目の変わり時だったのでしょうか。仕入先への支払を優先するという経営姿勢は得意先を動かし、入金していただけなかった売掛金を支払ってくれるようになりました。さらに、支払する資金がなかったにも関わらず、A社に対し仕入先が木材を信用でどんどん売ってくださり、事業は見事に立ち直ったそうです。

誰もが自社の利益を優先する状況で、他社の利益を優先させたものは何だったのか?
A社の経営者が貫き通した信念は何だったのか?

 A社の経営者がどのような経緯で、このような道徳的信念を持つに至ったのかは想像もつかないですが、確実に言えることは、会社の究極目標である「利益追求」という概念を超越した行動をされた経営者がいたということ、そして、その会社が拡大・発展したという事実です。

 経営とは、道徳的信念を土台に利益追求がなされなければ成功しません。
逆に利益追求を土台に経営すると、企業行動は得する方向ばかり目指すことになり、損をするとわかった瞬間には、昨日までの同志をも簡単に切り捨てます。その結果、相手からの信用を失うことになるのです。

 この話には後日談があります。
 A社を結果として見捨てた某都市銀行はどうなったでしょうか?
 東京木場でこの銀行は、震災後60年もの間、出入り禁止となったそうです(支店が開設できませんでした)。
この事実は逆に名古屋銀行への感謝の気持ちを物語っているともいえます。
 
 この100年に一度の混乱期には、自社の保身が肯定される空気が流れます。
 会社を守るという大義のため、そして、この大不況の外部環境を免罪符に、従業員を○千人解雇、取引先への支払一律○%カット、大企業は当然の如くリストラを推進します。
しかし、今の自分が取った行動は、周りの誰かの目に触れ、その誰かがその時下した評価は混乱期が収束したときに、必ず自分に返ってきます。
将来絶大な信用を得るのも、信用失墜するのも、今の自分の行動にかかっています。

今やるべき企業行動はいたってシンプルです。
「お客様に喜んでもらうこと」
「従業員に喜んでもらうこと」
「取引先に喜んでもらうこと」
「株主に喜んでもらうこと」
少しだけ自分のエゴを抑えます。

「言われなくてもやってるよ!」
そうおっしゃるお客様は、必ずこの困難期を乗り越えられる方だと確信します。

「景気に山と谷はつきものさ。こんな危機なんてへっちゃらだよ。」
元気が一番!一緒に山を乗り越えましょう。