住宅断熱基礎講座/01-3:砂漠の家(3) - 住宅設計・構造設計 - 専門家プロファイル

野平 史彦
株式会社野平都市建築研究所 代表取締役
千葉県
建築家
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住宅断熱基礎講座/01-3:砂漠の家(3)

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住宅断熱基礎講座 01.日本の住宅、その過ちの歴史
 西欧は夏乾燥していて冬に湿度が高くなる気候です。夏場、空気が乾燥していれば、暑い太陽が照りつける土地でも日陰に入れば涼しく、陽が沈めば昼間の暑さが信じられないくらい涼しくなります。

 イタリアやスペインなどの地中海諸国では今でも「シェスタ(午睡)」の習慣があり、日中は街を歩く人影はまばらで、陽が沈むとどこから沸いてくるのかと思うほど人々が街に溢れ出してきます。

 朝早く起きて仕事をし、昼はゆっくり昼食を取って昼寝をし、夕方近くになってから午後の仕事をはじめて、夜は深夜になるまで街に繰り出して遊ぶ、というのが彼らの生活パターンです。

 夏場の湿気の少ない西欧では暑い陽射しさえ遮れば気温は高くても家の中は結構過ごしやすく、今でもイタリアでクーラーのある建物と言えば、銀行やデパートくらいなものです。

 そして、逆に冬場は日照が少なく寒いので、しっかりとしたシェルターとなる石やレンガで積み上げる組積造が西欧の気候に適していたのです。砂漠地帯においては四季の変化は少ないのですが、日中は灼熱の太陽が照りつけるかと思えば、陽が沈むと湿気を含まない空気は保温性が低いので途端に気温が下がります。

 このように、乾いた空気の中では「壁」が暑さ寒さに対して有効であり、この乾燥した空気が「砂漠の家」を、そして「砂漠の思考」を育んだのです。