- 村上 春奈
- 村上建築設計室
- 東京都
- 建築家
対象:住宅設計・構造
せっかくそんなエネルギーが空から降ってくるのですから、うまく受け止めてそのエネルギーを有効活用し、明るく、暖かい家にしたいものです。
そのためには、まずその敷地周辺の状況や、その場所の太陽光の角度を調べ、冬の昼間になるべく部屋の奥まで光が入るように計画します。
ちなみに東京の冬至の南中高度は約32度です。
「もみじの家」では、吹き抜けのある大きな空間を家の中央に設け、ふんだんに日光が入るように南側に天井いっぱいまで大きく窓を開けました。
そして、室内北側の壁面まで冬の太陽光が直接当たるようにしたため、日中は室内に入った日光が壁をどんどん温めます。
また、南側の庭には冬場に落葉する「もみじ」を植えたため、植物が日光を遮ることもありません。
トップライト(屋根面の窓)を設けることでも日光は入りますが、逆に夏場は光が入り過ぎて暑くなってしまいます。そのため、冬の南中高度を考えると、条件が悪くなければ南面に窓を設けた方が効果的です。
ただ、大きな窓からは夜間に熱が逃げてしまうので、ペアガラスを使用した断熱サッシュにしたり、カーテン、ブラインド、雨戸などを使用して、熱が逃げないようにしましょう。
建物のプランを工夫するだけでも、効率のよい太陽光の利用ができると思いますが、太陽熱温水器の利用などを検討してみるのもいいと思います。
つづく
村上建築設計室