- 野村佳代
- 出版/広告プロデュース〜企画・ライティングからデザイン・印刷まで 株式会社アスラン編集スタジオ 代表取締役
- ライター
もっとも効果的な手段は?(1)
中小企業は、最小コストで最大効果を狙え!
情報発信手段のそれぞれの特徴は?
それでは、自社の最適なミックス方法を検討するため、それぞれのメリット・デメリットを見てみましょう。まずは、前半の3つを紹介します。
(1) 小冊子
特徴
小冊子とは、その名前のとおり小さな冊子のことです。
冊子ですから本のような体裁になっていますが、書店に売られている一般的な本よりもページ数が少なく、たいていの場合は40〜80ページほどです。
内容も、30分〜1時間ほどで読み終える程度が最適でしょう。
とはいえ、チラシや会社案内などに比べると、情報量は膨大と言えます。
お客様にとって有益な情報を1冊にまとめられるという意味では、ほかの手段から群を抜いています。
新規のお客様、また見込み客を集めるために有効という特徴もあります。
たとえばホームページで小冊子を無料プレゼントする、セミナーや来店の特典とするなどで、集客率を高めることができます。
主なメリット
・必要な情報をまとめて紹介できる
・持ち運びができるので、読んでもらいやすい
・チラシなどと違い、お客様に保存してもらいやすい
主なデメリット
・印刷コストがかかる
・文章の書き方によっては、ファンになってもらいづらい
・まとまった文章を書く時間が取りづらい
(2)ニュースレター
特徴
広い意味では、年賀状や暑中見舞い、近況を伝えるハガキなどもニュースレターに分類できるかもしれません。つまり、ニュースレターとは、お客様に向けたお手紙です。
年賀状などと違うのは、ニュースレターは「お客様へのご挨拶+会社の近況+お客様への有益な情報」が内容の主になっている点です。
ニュースレターは、新規のお客様というより、既存のお客様に向けて発信するものと言えます。
特に通信販売などを手がける企業にとって、欠かせません。
ほかにも、たとえば税理士が顧問先へ経営情報ニュースレターを送る、保険の代理店がマネープラン情報ニュースレターを送る、歯医者が歯のケア情報ニュースレターを送る、などが考えられます。
もちろん、見込み客の囲い込みにも効果的です。たとえば小冊子を送付したお客様に、さらなるアプローチとしてニュースレターの送付を続けていると、ますます自社のことを深く知っていただくことになります。
主なメリット
・お客様の囲い込みにつながる
・見込み客への第2アプローチになる
・定期的に届くことで、自社を身近に感じてもらえる
主なデメリット
・社内の制作体制がないと、定期的な制作が難しい
・印刷コスト、送付コストがかかる
・内容がマンネリ化すると、読んでもらいにくくなる
(3)機関誌・フリーペーパー
特徴
街にはフリーペーパーがあふれるようになってから、久しくなりました。しかし、私たち中小企業が発行する機関誌・フリーペーパーは、これらとは一線を画します。
中小企業が発行する機関誌・フリーペーパーは、お客様への有益な情報を雑誌のように編集するものです。
とはいえ、書店売りされている雑誌ほどのページ数は必要なく、たとえ4ページしかなくても、雑誌風の体裁をとることができます。
小冊子のようにまとまった情報ではなく、情報を細切れに発信していきますので、少しずつお客様の理解を促すことができます。
また、季節や社会の状況によって、タイムリーに情報を発信できる点も、特徴と言えます。
主なメリット
・タイムリーに情報を小出しにできる
・お客様の理解を少しずつ促せる
・定期的に届くことで、自社を身近に感じてもらえる
主なデメリット
・社内の制作体制がないと、定期的な制作が難しい
・印刷コストがかかる
・送付コストがかかる
次回は、後半の(4)インターネットの情報サイト、(5)メールマガジンについてご紹介します。