- 大澤 眞知子
- Super World Club 代表
- カナダ留学・クリティカルシンキング専門家
「カナダの高校留学」が音を立てて崩れています。 ガラガラドッシャーン!と。
1990年代後半からほころび始め、そのほころびを無視し「そんなに授業料が入るの?!」と我も我もと田舎の学区も参入し、ますます無法地帯へと転がって行った「カナダ高校留学」。
受入れ学区と各国のエージェントが金の亡者と化し、高校留学生を金のなる木としか見なくなった2000年代。
入学基準などお構いなしに受入れ続けた高校留学生の数と、その質の悪さに、カナダ地元からの反発の声が大きくなったのが2010から。
2013年1月、当時カナダの移民大臣であったKenney(現在アルバータ州知事)の言葉が、その呆れる現実を物語っています。
“Attracting the best and brightest young minds from around the world is key to the continued success of Canada’s economy and long-term prosperity. But there are too many stories of international students who pay a lot of money and leave their families back home to study in Canada, only to find out they have been misled.”
「世界中から最も優秀な若い才能を引きつけることになる「留学」の提供は、カナダの経済と長期繁栄への鍵となりますが、現状は余りにも酷い話に満ちています。 大金を払い、母国の家族と別れ、カナダに勉強にやって来た留学生たちがカナダで出会うのは、「嘘」で誤魔化され送り込まれたカナダの現実です。」
2013年にカナダ政府がこれだけ気がついていながら、なぜ未だに「嘘で誤魔化され送り込まれる」留学生が後を絶たないのか、大きな謎に思えますが、現状は悪化の一途でした。
「節操もなく入れ続けた高校留学生の異常な数」しかも「優秀な若者」であるはずの留学生の現実は「母国から見放された低級な若者」であることのツケが、嵐のように荒れ狂っているのが「カナダ高校留学の実態」です。
本当に絶句するほど低級な高校留学生が溢れているのが、現在の「カナダ高校留学」です。
さて、未だに留学生の払う高額な授業料にヨダレを垂らしている受入学区ですが、地元との軋轢、そして教育現場からの批判に負け、「高校留学生」の数の制限に向けて急速に動き出しています。
「これは大変だ!」という動きは、実は2008年あたりから始まっているのですが、それでも「取れる時にがっぽり授業料だけせしめておこう」作戦なのか、留学生を三顧の礼で入れ続けていたカナダの学区です。
例えば:
1.「田舎に行けば留学生も少なく環境もいいだろう」と都市部を避けたがる親の人気の場所、Comox Valley。 (Vancouver Sunより)
バンクーバーアイランドにある田舎です。
「留学生の少ない田舎?」「いい環境?」とんでもない。
留学生がものすごく多い地域で、そのため地元の生徒が校区の学校から締め出されている現状。
しかもその締め出した学校には、なんと!留学生が120名!
数の制限しか打つ手がないという結論に達したけど(2009年のことです)。。。。とまごまごしているうちに崩壊寸前に達した留学生プログラム。
何もすることもなく、閉鎖的な田舎で、溢れるほどの低級な日本人高校生がたむろしている留学先。
留学希望のみなさん、親のみなさん、想像してみたことはありますか?
コモックスバレー近くのCampbell Riverなどの田舎の学区も同様ですので要注意。
2.なぜかお問い合わせの多い West Vancouverも相当長期間に渡る留学生数の肥大化により、至るところにひび割れが生じています。 (Vancouver Sun より)
ひび割れをカナダメデイアが報じ始めたのも2008年です。
3.Howe Soundというバンクーバーの北にある入り江の地区。 (Vancouver Sunより)
留学生の数が多すぎて授業が成立しない!と教師が悲鳴をあげています。 (やはり2008年のことです。)
高校カリキュラムの正式授業でも留学生が生徒の30%を占めるこの学区。
地元の高校生に、大学進学のためのレベルを提供出来ない授業が横行していたとか。
更にもっともっと悪化している現在だと想像しています。
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リサーチすればするほど、吐き気のするような現実をひた隠しにし蓋をして来たカナダの教育委員会の体質が見えて来ます。
高等教育の質を守るためにと、BC州が高校卒業規定を難しくした(2019年から)のも、「いい加減にせんかい!教育委員会!」との政府の方策かも。
カナダで税金を払う地元からの突き上げに対応出来ず、とうとうやむなく、留学生数の制限に動き出した教育委員会。
遅すぎましたね。
エージェントや受入学区の「嘘」と「誤魔化し」の犠牲になった日本の高校生の数は膨大だと思います。
世界の自由主義をリードし、多民族社会を誇るカナダでは、もっともっと有意義な勉強が出来たはずの高校生たち。
「大丈夫よ。この学校では留学生をケアしていますから。」という上っ面だけの言葉のみ、学校の日常は日本人留学生と過ごすだけ、見守る大人も導く大人もいないカナダで迷子。
「留学とは、外国で勉強すること」を無視し、親のお金をどぶに捨て続ける日本人高校留学生。
もう終わりにしないといけないですね。
優秀な日本のみなさん。
高校の間には、親元で、英語能力を上げる猛勉強をし、優秀な若者として
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このコラムの執筆専門家
- 大澤 眞知子
- (カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)
- Super World Club 代表
カナダにいらっしゃい!
カナダ 在住。パンデミック後のNew Normal 留学をサポート。変わってしまった留学への強力な準備として UX English主催。[Essay Basics] [Critical Thinking] など。カナダから日本に向けての本格的オンライン留学準備レッスン・カナダクラブ運営。
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