- 村上 治彦
- 一級建築士事務所 村上建築設計室 代表
- 東京都
- 建築家
対象:住宅設計・構造
2歳になる娘さんがいるお父さんの言葉。
「リビングを通ってから階段へいく間取りがいいです。でも、
娘が大きくなっとき、お客さんがいたら恥ずかしがると思うので、
階段からリビングを通らずにすむお風呂への動線を考えてほしい。」
1階にLDKと水周り、2階が寝室と子ども室という構成。
面積の制約が厳しい中では、結構悩ましい課題でした。
しかも、なるべくLDKを広く!という要望もあり、
廊下・通路のようなスペースはなるべくとりたくない。
矛盾する条件を整理するのはパズルのようです。
でも、なんと愛情にあふれた思いだろう。と感心しました。
確かに、我が子(現在4歳)の10数年後を思うと、
そんな恥じらいが芽生えていることだろう・・・。
あるいは、親や家族とちょっと距離をおきたいと考える時期もあるかも。
リビング階段、親の想いがこもった「当世らしい間取り」だと思います。
さて、子ども達は。
自問自答しながら成長する思春期、自分の昔を振り返ると、
時にはリビング階段を「面倒」と思うこともあるかもしれないけれど、
複雑な心にもよりそい、親子の思い出を刻む存在であって欲しいと思います。