- 大澤 眞知子
- Super World Club 代表
- カナダ留学・クリティカルシンキング専門家
現在カナダやアメリカの高校留学中の日本人高校生から相談が舞い込んで来ます。
「なぜこんな状況に?」「最初に描いていた留学生活じゃない!」
「でも、どうしたら状況を改善出来るの?」
という悲鳴が飛び込んで来ます。
最近のご相談で多いのは、
「環境を変えたらきっとうまくいく気がします。 でもどこに転校するのがいいでしょう。 エージェントに聞いても『大丈夫よ』しか答えてくれません。 何でもいいのでアドバイスを下さい。」
さて、その「何でも」が結構曲者でしてね。
実は留学生本人、または送り出した親の頭には、すでに自分たちで思い込んでいる「留学」という「絵」があるんですね。
かなりの時間をかけてアドバイスした内容も「その思い込み」から外れていると返事も返って来ません。
自分が期待していた「答え」以外は切り捨てるのでしょうか。
せめてひと言「ありがとう」でもあれば、一緒に一生懸命考えた立場も報われるんですけどね。
でも、その程度のマナーもわからない留学生では、カナダ社会・学校・同級生に受け入れられる可能性は低いと思います。
カナダは「良いマナー」をこの上なく大切にする国ですから。
「マナーのない」日本人高校留学生は、おそらく孤立していることだと思います。
そして「自分の蒔いた種である孤立」を周りのせいにしている所が、根本的な問題に見えて来ます。
例えば、こんなご質問(個人情報のため、詳細を編集しております)
「留学先も自分で選び、日本人の少ない地区に留学中ですが、現地の友達が出来ません。色んなことも試してみました。 スポーツ活動も、ボランティアも。 でもうまく行きません。 学校が大規模過ぎるのが問題かもと、他の州に転校を考えていますが、エージェントは相談にのってくれません。 English10のクラスに入れば友達が出来ると思いますが、現在はESLのなのも困っています。」
さて?
この留学生の陥っている「思い込みの穴」が見えますか?
「日本人が少ない学校なら現地の友達を作りやすい」
そうかな? ただ単に、そのスクールボードが日本人留学生を積極的に受け入れていないだけかも知れませんよ。
スクールボードの考え方は、そこの社会を実によく映し出しますので、その地区の高校生も日本人には無関心かも。
「日本人留学生の少ない地区・学校」には、それなりの理由があると考えないと危険です。
「スポーツもボランティアも試したけどうまく行きません。」
ただ単にクラブに入るだけでは何も起こりません。
スポーツの場合は、残念ながらある程度の技量がないと仲間作りの目的は果たせないですね。
日本人特有の受け身で体育館の片隅に座っていても、誰も面倒はみてくれません。
ボランティアに至っては「マナー無し」はすぐにバレますので、ここでも真剣なお付き合いが始まるとは思えません。
「学校が大規模過ぎるのが問題かもと、他の州に転校を考えています」
カナダの友達が出来ないのは、学校の規模の問題でも、州が悪いわけでもありませんね。
留学生の「人となり」、カナダの社会常識を理解した「マナー」欠如の可能性が非常に高いです。
「English10のクラスに入れば友達が出来ると思いますが、現在はESLなのも困っています。」
そりゃ、そうですよ。
カナダ現地の頭のいい生徒たちは、高いレベルのクラスにいます。
English 10で活躍しているのもそういう生徒です。
その仲間に入れず、まだESLのままなのは、何が原因でしょうか?
英語のReading/Writing, 特にエッセイがカナダの同級生レベルで書けないと、いつまで経ってもESLのままなのは知ってますね。
それは、学校が悪いのでも、ESLの先生が意地悪をしているのでもありません。
留学生本人の能力が低いからです。
じゃあ!と、英語のwriting の勉強を勧めると、「だんまりさん」になってしまう相談がまず9割です。
「そうそう! 学校が悪いよね〜。 州の制度もね〜。 折角あなたが頑張ってるのに、友達になってくれないカナダの高校生ってね〜。 転校すればきっとうまく行きますよ。」
という回答を待ち望んていたのかも知れません。
自分の能力不足、マナー欠如という観点では考えることが出来なくなった高校留学生。
その数が非常に多いのに危機感を覚えます。
もしかしたら、カナダに高校留学したのも「日本の制度のせいで、学校のせいで、先生のせいで、友達がいなくて、うまくいかないから、場所を変えようとした」結果では?とも考えてしまいます。
まずは、自分を変えることから「留学生活」を立て直したい日本人高校留学生のみなさん。
「環境が悪いだけで、自分は悪くない」との思い込みを捨てる準備の出来た日本人高校留学生のみなさん。
大きな味方になれると思います。
カナダはそんなに甘い国ではありませんよ。
このコラムの執筆専門家
- 大澤 眞知子
- (カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)
- Super World Club 代表
カナダにいらっしゃい!
カナダ 在住。パンデミック後のNew Normal 留学をサポート。変わってしまった留学への強力な準備として UX English主催。[Essay Basics] [Critical Thinking] など。カナダから日本に向けての本格的オンライン留学準備レッスン・カナダクラブ運営。
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