先日、日経新聞にロールモデルについての記事が出ていました。私自身も、今まで何度か女性のロールモデルがいないということについて相談を受けたり、記事を書いたりしてきました。
私は、人それぞれ能力も背景も幸せも違うのでロールモデルは特に必要ない、いないからできないというのは言い訳だと思っています。
そもそも、ロールモデルがあって、そのとおりにやればいいというのは、私がいちばん危険だと思っている思考停止そのものではないでしょうか。
どうも日本人は依存的な傾向が強いようで、自分で考えて行動し、責任をとるということを避けたがりますよね。
たとえば、話をするとき、主語や目的語を語らず、責任の所在をあいまいにすることが多かったり、「なんとなく」「よくわからない」「・・してくれない」ということばをよく使ったり、うまくいかないことをまわりのせいにしたり、他人を妬んだり、匿名のときだけ威勢がよくなったり。
女性活用も、働き方改革も、賃上げも、お上に決めてもらわなければ動けないというのが、いかにも日本的で情けないと、報道のたびに感じます。
自分で自分の人生を考えて決めてつくっていくというのは、とてもシンプルで基本的なことだと思います。
幸い私は男女雇用機会均等法世代で、自分たちがパイオニア、お手本は皆無、従ってロールモデルという発想もありませんでした。
だから、そのときどきに自分で考え、転職したり、独立したりしてきました。今まで誰かをモデルにしたことはありません。たしかに、新卒で入った大企業をやめるときは、社内にロールモデルがなかったことが退職の一因でしたが、今はそのことに感謝さえしています。
あのまま大企業にいれば、安定した生活が保障されたと思います。今は何の保証もないフリーランス生活ですが、まったく後悔はありません。大企業を離れたあとのさまざまな経験は何ににも代えがたく、私の血肉となり今の私を支えてくれていると実感しているからです。
もちろん、その過程では、将来の不安を感じ、脅えて泣いたこともあります。今だって、経済的な不安は常にあります。でも、不安なら働くしかないわけで、今までもずっとそうして一人でなんとかやってきたのだから、これからもきっとなんとかなると信じて生きていけるようになりました。
私はロールモデルという存在を否定したいわけではありません。ロールモデルはあくまでも参考であり、一人ひとりの能力や事情はみんな違うのだから、最終的にはあなたの人生はあなたが考えて決めるしかないということをお伝えしたいのです。
ロールモデルがいないときは、その世界を見限ってもいいし、あなた自身がロールモデルになってもいい。ロールモデルがいないことは決してマイナスになりません。むしろ可能性が広がるチャンスです!
このコラムの執筆専門家
- 藤井 雅子
- (東京都 / 心理カウンセラー)
- メンタルエステ ココロの部屋
カウンセリングはココロのエステ
自分を好きになれない、自信がない、思ったことを上手に表現できない、人目が気になって仕方ない、不安やイライラで毎日が楽しくない、甘え下手・・でもどうしていいかわからない、そんな悩める女性たちを心から応援します。ぜひ一度ご相談ください。