上田市(旧丸子町)にあるコンサートホール、信州国際音楽村で定期的におこなっている「KODAMAサロン」という企画があります。
コンサートの前に地元のお菓子屋さんがホワイエにカフェを出し、夕暮れ時にお茶とおいしいお菓子とコンサートを一緒に楽しもうというユニークなコンサートシリーズです。
出店するお菓子屋さんはコンサート毎に違うので、それも楽しみにしているお客さんもいらっしゃるそうです。
今回はサクソフォンカルテット「クワチュール B」のコンサートを鑑賞しました。
今回のコンサートには「クワチュール・べー・クラシック」とタイトルがつけられ、メンバーの言葉を借りれば、サクソフォンカルテットに真正面から挑んだプログラム、というコンサートです。
1曲目のモーツァルト作曲「ディベルティメント K.136」以降はサクソフォンカルテットのオリジナル作品でプログラミングされていました。
印象に残ったのはリュエフ作曲「サクソフォン四重奏によるコンセール」。
古代の建造物のような壮麗な第1曲で始まり、組曲ごと変化の激しい曲調を時には透明に、時には疾走間のある素晴しい演奏でした。
実はこの曲、プロによる生の演奏を聴くのは今回が始めて。
また、オーケストラで使われているサクソフォンのソロ、例えばビゼー作曲「アルルの女 祭2組曲より『間奏曲』」などをふんだんに盛り込まれ髙橋宏樹作曲「アルルのサックス展覧会」のウィットにとんだ音楽を好演でした。
この曲のような「真面目にふざける音楽」も歳を重ねるほど、楽しみ方がより深くなったように思います。
地方に住んでいる者としては耳馴染みのある曲で構成されたコンサートは比較的多いのですが、今回のようなクラシカルな作品で構成されたコンサートを聴くことができたのは貴重な機会でした。
特にサクソフォンカルテットは現代のアンサンブル形態では重要な編成でもあるからです。
尚、この日のコンサートはフランスでの公演を終えて帰国してから2日目の公演だそうです。
クワチュール・べー・クラシック
~Quatuor B classique~
日時:2015年7月18日(土) 19時開演
会場:信州国際音楽村 ホールこだま
演奏:クワチュール B
主催:信州国際音楽村
このコラムの執筆専門家
- 成澤 利幸
- (長野県 / 音楽家、打楽器奏者)
- 成澤打楽器音楽教室
音楽はみんなのもの
楽器の演奏は専門家からのちょっとしたアドバイスによりスムーズに上達したり音楽の奥深さに触れることがあります。ドラムやマリンバ、いろいろな打楽器のレッスンを通して皆さんのお力になれればと思います。
このコラムに類似したコラム
第31回M・C中津川音教センター演奏会 押野 智之 - 音楽講師(2018/06/02 21:08)
渡辺志穂サクソフォンリサイタルを愉しんできました ❣ 押野 智之 - 音楽講師(2022/03/10 16:36)
渡辺志穂サクソフォンリサイタル 押野 智之 - 音楽講師(2019/05/24 11:38)
みたかジュニア・オーケストラ(オータムコンサート) 小川 正毅 - 音楽家・プロデューサー(2016/01/20 13:15)
第4回 心のふるさと杉並「童謡・唱歌」まつり 小川 正毅 - 音楽家・プロデューサー(2015/05/16 23:32)