ユーロバブルの崩壊
ここ1ヶ月の為替マーケットはまさに大荒れのマーケットとなっている。
これまで1年間のマーケットの流れは、「ユーロ高・ドル安・原油高」であったが、これが大きく修正されている。この1ヶ月で、ユーロドルは、1.60⇒1.40、ユーロ円は170円⇒150円と過去2年間の上げ幅をわずか1ヶ月で解消してしまった。9月11日には、それぞれの節目を割り込んで、ユーロドルは1.38台、ユーロ円は147円台までほぼパニック的な売りとなっている。
では、この1ヶ月で何が起こったのだろうか。単純には特定できるものではないが、その引き金となったのが、ユーロ景気の後退で4−6月期のGDPが統計始まって以来初めてのマイナスに転じたことでユーロ売りに拍車がっかり、ECBにより利下げ観測まで出ている。さらに、ロシアのグルジア侵攻もユーロ売りに拍車をかけた。
これまで世界のマネーは、原油などの商品市場やドル安の受け皿としてのユーロに流れ込んでいたが、この反動が一気に来たということである。原油価格も急落を示し、一時150ドルに迫っていたが、今では100ドルを割るまでに急落している。サブプライム問題に端を発した世界経済の停滞、新興国株式市場の暴落など、これまで資金が向っていたところが全て危険地帯となってしまい、世界マネーは安全を求めて、株式市場から債券市場へ、原油など商品市場から撤退、通貨では円に資金が集中してきている。
今後の行方を予想することは非常に難しいが、米国が公的資金投入を投入したにもかかわらず、マーケットは1日だけの反応に終わり、その後続いたリーマンブラザースの経営難などまだまだ金融システム不安が払拭されていない。急激な資金の反動は長続きするものではないが、実体経済が回復しないまでもこれ以上の後退懸念が払拭されてくれば落ち着いてくるであろう。一応、9月11日の相場で当面の底を見たようには思えるが・・・
ドル円:103−109 ユーロ円:145−155の予想