- 星 和美
- グレータープレゼンス 代表
- パーソナルコーチ
対象:コーチング
少年とリンゴの木はなかよしで、毎日一緒に遊んでいました。
時が過ぎ、少年は木と遊ぶことはなくなりましたが、時おり木に助けを求めてやってきます。
そのたびに木は自分の身を犠牲にして、彼の望みをかなえてやるのです。
すでに年老いた少年がやって来た時、木はもう切り株になっていました。
少年が「とても疲れた」と言うと、
「ごめんなさい。もうあげられるものは何もないけど、ここに座って休みなさい」と言います。
木はとても幸せでした。
----------------------------------
このお話は読む人によっていろいろな解釈ができます。
私には「自然と人との関係」のように思えました。
人も自然の一部ですが、搾取する側になっているのが今の状況です。
経済を優先し、天然資源を使いすぎ、環境におおきなダメージを与え続けています。
物語は「木は幸せでした」で終わりますが、それが皮肉にも読む人の胸に刺さるトゲのようになっています。
村上春樹さんが日本語訳をしています。
彼の他の作品に似て、ものすごく深くて暗いところまでズトンと落っことしてくれるような読後感がありました。
作者による朗読