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「この店のピッツアって、焼きたては美味しいけれど冷めると不味いな・・・」
年間、100枚以上のピッツアを食べるのが私の趣味です。ですので、いつも色々な店のピッツアを食べ歩いています。多くの店は、とても美味しいピッツアを食べさせてくれるのですが、たまに、「残念～」と感じるお店にも遭遇します。それは・・・
「ピッツアが不味い」ときです。
私の友人達は、「ピッツアなんてどこも同じようなもんだろ～」と言うのですが、そうではありません。店によって全然違うのが、ピッツアの奥の深いところなのです。もちろん、薪釜か、ガス窯か、電気オーブンかによっても、味は変わってきます。トマトソースやチーズによっても違ってきます。しかし、ピッツアにとって最も重要なのは、「生地」なのです。
詳しくは、また別の機会に書きますが、この「生地」が上手く出来ていないピッツアは、焼きたてでもわかるのですが、特に「冷めるとかちんこちんになって不味い」のです。
冒頭の私が、「これは残念・・・」と思った店は、ピッツアの専門店です。広い客席を持っていますが、お持ち帰りも出来る店です。この日私は、友人数人と食べるために、3枚のピッツアをテイクアウトしたのです。私は、この店を利用したのがこの日初めてでしたが、薪釜を使っているこの店のピッツアを食べるのがとても楽しみでした。
友人の家に着いた私は、早速、ピッツアの箱を空け、その中の一枚を手に持ちました。
もうその瞬間、冷めたピッツアがかなり硬くなっているのがわかったのです。もちろん、そんな状態ですから、周りの耳の部分は、もうかなり硬くて食べられません。店を出てまだ30分くらいだったのですが、一晩置いたような硬さなのです。しかたなく、買ってきたピッツアを全部、電子レンジでチンしたのでした。
ピッツアは、小麦粉をこねるところから、生地の出来具合が決まります。そして、一晩寝かせた生地をうまく伸ばさないと、上手く出来た生地でもコシやモチモチ感は出てきません。そして、それを出来るだけ短い時間で焼き、表面をパリッと中はフワフワモチモチにするのです。
ピッツアは、とてもデリケートな食べ物なのです。
ところが、生地そのものが上手く出来ていないときや伸ばし方が悪いと、焼きたては、まだ何とかなるのですが、時間がたって冷めると、とたんにカチンコチンになってしまうのです。酷いピッツアは、これは石膏で固めたのか？と思うくらいにカチコチになるのです。
この店のひとは、そのことに気がついていないのです。
この店は、ピッツア専門店なのです。
常識で考えれば、あり得ないことなのです。
自分の作ったものを、お客様がどの様に評価しているのかは、その時の表情や食べ終わった食器を見ればわかるものです。さらに、一流のシェフ、ピッツアイオーロは、冷めた状態でも美味しくなるように細心の注意を払います。
しかし、彼は、「自分で冷めたピッツアを試食していない」か「お客様の様子を気にしていない」のでしょう。
そんな大切なことに気がついていないのです。（気がついているのならさらに重傷ですけどね）
かわいそうに・・・きっと、もうすぐお客様は来なくなるだろうな・・・
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