第7章:ピープルの健康状態を調べよう
⑭店長はコントローラー型からマネジメント型に進化しよう・・・・混乱を収めるのがリーダーでは無い。混乱を起こさせないのが真のリーダーである
「Aさんは、そっちを手伝って!Bさんは、アレ持って来て!Cさんは、そこを守って!」
ある郊外のショッピングセンターのレストラン。これは日曜日のランチタイムの様子です。
店長が、混雑する店内で、次々とスタッフに指示を行っています。スタッフはその指示を受けて、テキパキと満席の店内を動き、お客様の対応をこなしていきます。この店は、毎週日曜日、長い行列が出来、それを捌きまくる強い店長のコントロールによって支えられています。
一方で、別のショッピングセンターにある同じチェーンの店。同じように忙しい日曜日のランチタイム。この店は、まったくドタバタせずに、静かに店が動いています。大きな音もせず、店長は静かにニコニコしながらお客様と会話をしています。この店では、毎週日曜日は、やや行列は出来るものの、スムーズに流れ、そこには穏やかな空気さえ流れています。
さて、あなたはこのふたつの店。どちらの方が売上が高いと思いますか?
実は、後者の方なのです。
ショッピングセンターの売上や規模もレストランフロアの店数もほぼ同じ。客席数もほぼ同じ。
しかし、後者の静かな店の方が、2割以上売上が高いのです。
素晴らしいマネジメントの店長ですよね。
ところが、面白いことに、この会社では、前者の方の店長の評価が高かったのです。その理由は、「ピーク時に強いリーダーシップを発揮してスタッフをコントロールしているから。」と言う、エリアマネジャーのコメントが影響しているようでした。確かに、前者は会議でも発言力があるベテランの店長です。いろいろと影響力も強いのでしょう。
でも、私は、明らかに後者の「静かな」店長の方が優秀だと思うのです。
その理由は、ピーク前の準備にありました。
後者の店の店長は、ランチタイムの2時間以上前から、ランチタイムの準備を始めています。
その日の天候、ショッピングセンターの行事、様子、自店舗のシフト、ポジショニング、何をお薦めするかなど、緻密に計画を立てています。そして、その計画に応じた準備をするのです。もちろん、お薦めするメニューがいち早く出来上がるように料理長と打合せを終えています。ホールスタッフも、その心づもりが出来ています。「今日のランチ時間帯はこうしよう」と言う意志の流れが、店頭からバックヤードまで1本で繋がっているのです。
だから、ほとんどの場合、想定外がありません。予定通りに店が回るのです。
その結果、店は、静かに穏やかに回ります。すると、スタッフももう1品をお薦めしやすくなります。お客様ももう1品を頼みたくなります。忙しくてざわざわバタバタしていると、もう1品なんてスタッフもお客様も頭に浮かびませんからね。
このように「マネジメントされた店」のピーク時の客単価は、そうではない店よりも高くなるのです。
また、準備と連携が上手く出来ている店は、客席への商品出も早く、片付けも早く終えています。つまり、レストランとして最も致命的な「空白時間」が非常に少ないのです。だから、お客様のお待ち時間も短くなります。自然と客数も増えるのです。マネジメント型のリーダーシップを発揮する店長の店は、静かに、しかし、客数も客単価も伸びながら回るのです。
ダメダメの店は、行き当たりばったりで本番を迎えます。それを店長がビシバシ指示をしてこなしているように見えます。言わば無計画+コントロール型のリーダーです。本当はそんなことをしなくても良いのに、せざるを得なくしているのです。本人は、ビシッと回しているつもりですけどね。
さて、あなたは「ぶっつけ本番無計画+コントロール型のリーダー」ですか?それとも、「事前準備マネジメント型のリーダー」ですか?私なら、「マネジメント型」の方を優秀だと思いますけどね。
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