ニューヨークで踊った時のハプニング - 心・メンタルとダイエット - 専門家プロファイル

舞踊家(クラシックバレエ) 元プロバレリーナ
東京都
クラシックバレエ教師・振付家

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対象:ダイエット

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ニューヨークで踊った時のハプニング

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私は1996年・1997年に、ニューヨークのウェストチェスター・バレエ・カンパニーからゲストで招かれて「くるみ割り人形」全幕の舞台に主演をさせて頂いた事がありました。

 

今回は、その時の本番で起きたハプニングに付いてお話しさせて頂きます。(^^ゞ

 

通常「くるみ割り人形」は、1幕で踊られる "雪の女王"(準主役) と、2幕で踊られる "金平糖の精"(主役)は、別のプリマの方が踊られるのですが、ここのバレエ・カンパニーは、その両方を一人のプリマバレリーナが踊る事になっていて、私も両方を演じさせて頂きました。

 

そのハプニングは、本番の1幕で "雪の女王" を踊っていた時に起きました。《゚Д゚》 !!

 

順調に調子良く進み、踊りが終盤に近づいていた時に、男性に支えられての女性の見せ場のピルエット(回転)のシーンがあり、とても調子良くスルスルスルスルと沢山ピルエットをしていた時に、突然何かに無理矢理止められた様に、その回転が突如止まりました。

 

ピルエットの後は、エカルテ・ドゥバン(斜め前の角度に、足を横に高く上げる)というポーズで決めるのですが、その時にパートナーがいつもと違う行動をしたのです。

(お客様に分からない様に小さい動きでしたが、何かガサガサと私の身体を揺らすのです)

 

 

私はそのポーズをキープしたまま、咄嗟に「何か起きたらしい!?」と思いました。《゚Д゚》!?!?!?

でも本番の最中ですから、踊りを中断する訳には参りませんので、私はそのままでいるしかありません。

 

その後の振付けは、本当は右に一回ターンをして第一アラベスク(真横に向いて足を後ろに上げるポーズ)に入るはずでしたが、その時にパートナーが後ろで私を支えたままで「 Turn  left !!(左に回って!! )」と強くささやきました。

 

私は言われるまま左に一回ターンをしたら、彼が後ろから「 OK!!  Make  arabesque !!(アラベスクに戻って!)」と言ったので、即座に反対に向いて振付け通りのアラベスクに戻しました。

 

こうして言葉で説明すると長いのですが、この一連の動作は時間にすると、ほんの数秒間の中の出来事です。

(しかも全て決められた音楽の中で処理できたので、お客様には殆ど気付かれ無かったと思います)

 

 

その後は、何の問題も無くお互い調子良く踊り終える事ができ、1幕が終了し舞台袖に入った時に「何があったの?」と私がパートナーに聞いたら、何と彼の結婚指輪 (当時彼は私と結婚したばかりでした) が、私の衣裳の背中のホックにハマり、引っかかってしまったと言うのです。

 

その時の衣裳はカンパニーの物で、アメリカの衣裳は日本のものとは違い、ホックはとても小さい物を使用していたのですが、その小さいホックに偶然指輪がハマってしまうなんて、本当に生の舞台は何が起こるか分かりません!? (^^;

 

ちなみに彼は結婚したばかりで、(あくまでも当時!?(笑))指輪を外すのが嫌だったのでしょうか、そのまま指輪をしたまま舞台に上がったらしいのですが、それ以後、彼は踊る時は「指輪は外して」踊る様になりました。(笑)

 

彼曰く「エリカは何が起きても冷静でいてくれるから、助けられている」との事でした。

でもそれは彼も同じで、お互いプロフェッショナルだからこそ、瞬時に出来た判断と行動だったという事でしょう。

 

ちなみにパートナーだった彼とは、その数年後に離婚する事になるのですが、芸術家同士というのは「お互いの才能を尊敬し、その才能と付き合う」という面が有りますので、お別れした後もお互い仕事のパートナーとして、長年一緒のお仕事を致しました。

 

 

今では、全てが楽しい思い出です。

☆_(_☆_)_☆

 

 

 

 

 

ニューヨーク ウェストチェスター・バレエ・カンパニー公演 

「くるみ割り人形」Act1より   (1996年)

  大園エリカ & Valentin  Bartes (※若かった二人も、今は昔~♫)

 

 

その時の「くるみ割り人形」1幕で、 "雪の女王" と "雪の王" を踊る私と彼。

本番中に何が起きても、優雅に演技を続けるのも、プロが兼ね備えていなければならないテクニックです。

そこには冷静さという知性が必要になりますが、それは日頃の鍛錬・修練の賜物と言えると思います。

 

 

あとはお互いの「信頼関係」ですね。

バレエダンサーを始めとした芸術家の方なら、きっとこの高尚な感覚をお解りになる事でしょう。☆彡

 

 

 

 

 

 

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舞踊家(クラシックバレエ) 元プロバレリーナ

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長年プリマとして国内外で活躍。現役引退後は後進の指導とバレエ作品の振付けに専念。バレエ衣裳や頭飾りを作り続けて得たセンスを生かし、自由な発想でのオリジナルデザインの洋服や小物等を作る事と読書が趣味。著書に「人生の奥行き」(文芸社) 2003年