今回のテーマは、これ又 簡単な様で難しい「優しさ」に付いてのお話しです。_(_^_)_
皆様が人を "優しい" とお感じになるのはどんな時ですか?(✿。✿)
思いやりがあって、自分の気持ちを解ってくれる人。
これはどなたでも納得される、分かり易い「優しさ」ではないかと思います。(^^ ♡
でも人間というのは動物とは違い、どなた様も絶えず成長して行かなければならない宿命を負っていますから、それだけでは「本当の優しさ」とは言えない時があります。
人間は、裏に複雑な心理を抱えて生きる動物でもあるので、時に「優しさが、人を駄目にする」という事も起きて来て、優しくする方もされる方も相まって、大変ややこしい時があるのです。(- -;)
もう一つ、人が案外気づいていない心理というのがあります。
それは、人というのは「自分が人からされて "優しい" と感じる事を、人に与えたがる」という事です。
ですので、精神的に自立できている方と、そうでない人間とでは、優しさの基準や判断が変わって来るのです。
《゚Д゚》!!
人間はそういう自分の物差しで「あの人は優しい・優しくない」と見る訳ですし、「こういうものが優しさだ」と判断して人に与えるものですが、
そこから逆に、その方が人からして欲しいものが視えて参りますし、又その方の精神的な自立度が分かってしまうという事でもあります。(^^;
人間は動物と違い、精神的に成長する事を生きる目的として生まれ、宿命づけられている訳ですので、そういう存在の人間に対しての本物の優しさとは、「相手を自立させる方向に導いてあげる事」であると私は思っています。☆彡
何故なら、相手が自分の力で判断・行動できる様に自立させてあげる事は、相手が自由になる事だからです。
人間の究極の幸せは、"自由である事" ではないでしょうか?
生きていると色々なしがらみなどがあって、なかなか難しい事ではありますが、でも本当は人間は心の底では、誰もが自由をこよなく愛するものなのですから・・・。(皆様もそうでしょ~?♫)
でも自由というのは、 "自己責任" という自立が必ずセットになって、初めて持てるものでもあります。(※ここ、重要ポイントです!)
ですから優しくする事で、もし相手が自分や何かに頼るようになって依存してしまうのならば、それは本当の優しさではないと私は思います。
本物の優しさとは、相手の為に必要ならば、時に毅然と突き放すという事も含まれます。
(優しくする場合でも、最終的には相手を自立させる為であるべきです)
でもそれをする人には資格がいるのですね~。《゚Д゚》!?
それは「人に言えるだけの事を、まず自分ができているかどうか?」という資格です。(^^✿
(※経済的に自立できているからといって、精神的に自立ができているかどうかは、又別であるという観点も必要です)
それが無ければ、相手に説得力を持てませんし、そして本当に相手の事を思う気持ちが無ければ、相手には届かないものでありましょう。(良くご自分の都合で相手に厳しくなさる方もおりますが、勿論それは論外です)
それと同時に、人間関係というのは一方通行ではないので、それを受ける側の時期や器というものも、当然関係して参ります。_(_^_)_
この様に、最終的には相手の事を自立させる思いで「相手に嫌われても言ってあげる事ができるか?」という資格の要る優しさは、その方の生き様から来る強い信念と勇気が必要なだけに、"上級編" とも言えるものなのだと思います。
大概人というのは、自分が嫌われない様に、自分の保身が先に立ってしまうものですからね~。(; ̄O ̄)
(世間では、それが大人だという事に捉える方もいらっしゃいますね?)
自分の保身が先に立つ人が人に強く言えないのは、自分自身がそうだから相手に言えないのです。
(※他に、ビジネスが絡んで相手のご機嫌を取る為にというケースもありますが・・・)
それを心のどこかではご自分でも分かっていて、でも意識に上るのは、そういう曖昧模糊(あいまいもこ)とした、ご自分の基準で計る漠然とした優しさ、或いは自分が人からして欲しいと思う優しさになるのです。
優しさには "慈愛" と "慈悲" という、性質の違うものがあります。
人格者と言われる方は、このバランス感覚に優れた方を指すのです。 ☆_(_☆_)_☆
分かり易く一般受けするのは、母性愛とも言える、全てを受け入れ呑み込んでしまう "慈愛" の方ですので、保身が先に立つ方には示し易く、又与え易い優しさでもありますが、
人を大人にする為に必要な父性愛的な "慈悲" の心の方が、成長して行かねばならない人間には非常に有り難く、必要なものであるという事も、本当は人間は理解しなければならないのです。
でも最近は、それを示せる大人も、その大事さを肌で感じ取れる人間も、本当に少なくなりましたね~。
「この世では、真理を諭す人間は疎まれる」という言葉があります。
正にその言葉の中に、いつまでも目覚めたくない人間というものの "甘え体質" や "利己主義" というものが、私には垣間見えて参ります。
「人間は最初は母性で育つ。母性愛がなければ、赤ん坊は生きては行けない。
けれど、時期が来たら、母性というのは罪にもなる。それは人を自立させないものでもあるからだ」
さて今回のこのテーマを、皆様はどうお感じになりますか?(^^ ♡
(曇りの日でも写真になると、思いがけなくとても華やかな色彩に撮れる時があります。不思議ですねぇ♫)
このコラムの執筆専門家
- 大園 エリカ
- (東京都 / クラシックバレエ教師・振付家)
- 舞踊家(クラシックバレエ) 元プロバレリーナ
natural & elegance
長年プリマとして国内外で活躍。現役引退後は後進の指導とバレエ作品の振付けに専念。バレエ衣裳や頭飾りを作り続けて得たセンスを生かし、自由な発想でのオリジナルデザインの洋服や小物等を作る事と読書が趣味。著書に「人生の奥行き」(文芸社) 2003年