「答えの無い問い」
満天の星を眺める夜の海辺で、
父親と息子が話をしていました。
息子は、星空を見上げながら、
父親に聞きました。
この宇宙は、どうしてできたの。
その息子の問いに対して、
父親は、静かに答えました。
この無数の星々の輝く宇宙は、
実は、「真空」から生まれたのだよ。
遠い昔、この宇宙は存在しなかった。
そこには、ただ、「真空」があった。
しかし、およそ137億年前、
その「真空」が、突如、ゆらぎを生じ、
一瞬にして、大爆発を起こし、
この宇宙が生まれたのだよ。
それが、現代の科学が解き明かした、
宇宙誕生の物語なのだよ。
その話を聞き終えた息子は、
遠い星の光を見つめ、
ふたたび、父親に聞きました。
では、なぜ、その「真空」は、
「真空」であり続けなかったの。
この問いに対して、父親は、
黙して答えませんでした。
それは、
「答え」を知らなかったからではありません。
その問いが、
「答えの無い問い」であることを知っていたからです。
(※「自分であり続けるために」 田坂広志 著 より)
宇宙とは、人間には計り知る事のできない神秘です。☆彡
どんなに理論的に解明研究され、頭では分かった様な気になっても、この宇宙の謎に付いての本当の答えは、未だ人間には得られてはいないのです。
この宇宙の不思議さを思う時、人は謙虚になれるのかもしれません。
☆_(_☆_)_☆
このコラムの執筆専門家
- 大園 エリカ
- (東京都 / クラシックバレエ教師・振付家)
- 舞踊家(クラシックバレエ) 元プロバレリーナ
natural & elegance
長年プリマとして国内外で活躍。現役引退後は後進の指導とバレエ作品の振付けに専念。バレエ衣裳や頭飾りを作り続けて得たセンスを生かし、自由な発想でのオリジナルデザインの洋服や小物等を作る事と読書が趣味。著書に「人生の奥行き」(文芸社) 2003年