私が常々、ここのコラムで良くお伝えしている事の中に「頭と心は違う」というものがあります。
多くの皆様は「考える事が心だ」と勘違いなさっておられる様に私はお見受けするので、今回はその解説を、私流に試みて参りましょう。☆彡
皆様は「考える事」と「感じる事」の違いをお感じになった事がありますか?
きっと多くの方が、あまり深く考えた事もないのかもしれません。
私は長年バレエを通して生徒達を指導する中で、「本当に人間とは、何と勘違いしやすい生き物なのだろう!?」と、肌身で感じる事がありますので、それらを例にお話しを進めてみようと思います。
(特にバレエというものは身体を使うものなので、その勘違いが見えやすいのかもしれません)
よく生徒側に自覚が持てない事の一つにあるのが、「理屈で理解したからといって、それができているとは限らない」という事があります。
生徒達はよく「頭では分かった」と思い、自分では身体でも「やっているつもり、できたつもり」になってしまうというのがあります。
これは何から来るかと言うと、自分の中だけのイマジネーションに頭がぶっ飛んでいて、本人はその時に自分の身体でしている事を、キチンと自分で「観ていない」「感じていない」という事からです。
ですので実際は、その子だけの「頭の中だけで起きている = やっている事」になっているのですね。
その場合の行動は、返事は「うん」と言いながら、身体は同じ繰り返しをしていて、次のレッスンの時にはアドバイスされた事すら覚えていないという様な反応になります。
私はこの人間の摩訶不思議な現象を、長年本当に不思議に感じて来たのですが、《゚Д゚》!?
ひょんな事からたまたま出会った仏教の本の中に、「正にその答えが書かれている!」と感じられたものがあり、「あぁ、私が感じている事の謎解きがここにある!」と感動してしまったものがありました。
私は仏教徒ではありませんが、その教えの中には、その辺の心理学よりも凄い分析力と説得力があり、大変感動したのです。《゚Д゚》☆彡
それはこういうものでした。
「人間には、自分ではなかなか気付かない、 "五蘊(ごうん)" というものがある」という分析です。
【五蘊】
① 色(感覚)
② 受(感情)
③ 想(思考)
④ 行(意欲)
⑤ 識(意識)
私自身が漠然と感じて来た「頭と心は別のもの」というものが、もっと緻密に、こんなに分類・分析されているなんて・・・!《゚Д゚》☆彡☆彡☆彡
「これを発見されて説かれたお釈迦様という人は、凄い人だなぁ!」と、当時の私は非常に素直に、イタく感動したものです。☆彡
(物凄い心理学 !! なるほど、仏教は "心の科学" と言われる意味が良く分かります♫)_(_^_)_
そしてこれを知り、「私が自分で感じて来たものは間違っていないのだ!」という自信と確信を得る事ができました。
人間は自分で知らず知らずに、自分の過去の経験から来る (※ここ、重要ポイントです!)
"決めつけ"
"思い込み"
"こうあって欲しいという自分の願望"
で、人の話しを聞いて判断してしまい、本当に聞くという事 = 「今 聞く ・ 今 感じる" 」という事が疎かになっていても、本人は全くそれに気が付かない。
この様に、自分では「聞いているつもり」「理解したつもり」になって、ものを聞いたり見てしまう癖が人間にはある様です。
ちなみに仏教では、それを自覚しづらい事として、「無知・無明」、或いは "妄想" と言い、人間の苦しみを生む三大原因の一つと捉えています。《゚Д゚》!!
皆さんもご自分の中に何かモヤモヤとした矛盾を感じたり、同じパターンで行き詰った時に、この "五蘊" なるものを当てはめて、ご自身を自己分析なさるのも、悩みの解決に繋がって行くかもしれませんね。(^^✿
自分の苦しみ・悩みなどには、まず"癒し" が必要な場合がありますが、それだけでは只の一時しのぎに終わってしまい、問題の本当の解決に繋がらない事もままあります。
そういう場合は、こういう事を冷静に自己分析して、ご自分を内観して行く大人のやり方の方が、本当の悩みの根本解決に辿り着き、早く楽になるのではないかと私は思っています。 ☆_(_☆_)_☆
(まだ明るい空の夕方の月。 ちょっと絵にも見えて来る様な写真ですね~♫)
このコラムの執筆専門家
- 大園 エリカ
- (東京都 / クラシックバレエ教師・振付家)
- 舞踊家(クラシックバレエ) 元プロバレリーナ
natural & elegance
長年プリマとして国内外で活躍。現役引退後は後進の指導とバレエ作品の振付けに専念。バレエ衣裳や頭飾りを作り続けて得たセンスを生かし、自由な発想でのオリジナルデザインの洋服や小物等を作る事と読書が趣味。著書に「人生の奥行き」(文芸社) 2003年