1873年の恐慌と似ている今の世界経済 - 資産運用・管理 - 専門家プロファイル

前田 紳詞
代表取締役
ファイナンシャルプランナー

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対象:お金と資産の運用

山中 伸枝
山中 伸枝
(ファイナンシャルプランナー)

閲覧数順 2016年12月06日更新

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1873年の恐慌と似ている今の世界経済

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ファイナンシャルプランナーが教えるシリーズ ネクスト・ソサエティーの到来

混乱する世界経済



今、起きている世界経済の状況を1929年の大恐慌に例える人が米国では少しずつ増えています。

それほど、内容が深刻だということです。

中身を分析すると私には、1929年よりも史上初の”世界恐慌”だった1873年の”恐慌”のときの状況に似ている気がします。


今、起きている状況



現在、世界経済で起きている現象をまとめると次のようになります。

★住宅不動産価格のバブル崩壊ともいえる、大幅価格下落
今回の問題の元凶は”住宅不動産バブル崩壊”です。
これについてはコチラをご参照ください。

★それに関連した証券化ローンの破綻
金融革命によって証券化技術が生まれ、その行き過ぎが”サブプライムローン問題”を発生しました。

★米国を中心とした金融不安
今回、問題が深刻なのは、世界の中心的存在”米国”です。更に、英国がおかしくなってきています。どちらも金融革命の中心的存在だった国です。

★ドルの下落
基軸通貨と言われてきた”米ドル”の信用低下が止まりません。ユーロの誕生や人民元、アラブ湾岸諸国共通通貨構想、ルーブルの国際化など、逆風ばかりです。

★IT技術発達によるグローバル化・フラット化
インターネットの登場で距離や空間が消滅しつつあります。

★BRICSに象徴される新興国の成長
中国やインドなどのアジア諸国が急成長してきています。他にもロシア、ブラジルや中東諸国の力が増してきて、世界の勢力図が変わりつつあります。

★急激な物価上昇
石油価格の高騰に始まった世界的なインフレが猛威を奮っています。この原因のひとつが資源や食料の輸出規制です。
コメ価格の大幅上昇の原因は自国からの輸出に対して大幅に税金をかけて外国に食料が出るのを防いだからです。
石油も需要が増加しても増産をしないことが原因です。


1873年の恐慌



1873年の”恐慌”前後で起きていたことをまとめると次のようになります。

★穀物バブル崩壊による、商品価格の大幅下落
1843年に穀物法が廃止され自由貿易化が始まりました。これがイギリス経済を大成長させました。
1873年に小麦や紅茶、砂糖などが暴落して恐慌になりました。

★産業革命で発達した新技術が商品価格下落に影響
商品価格下落の原因は”鉄道”や”冷蔵技術”などによる物流革命や保存技術の進歩です。最初は産業革命が英国の経済成長を促進させました。
しかし、その行き過ぎが恐慌に原因となりました。

★基軸通貨としてのポンドの地位低下
当時は金本位制で英国のポンドが勢力を持っていました。その後、金の流出が続き、ポンドの地位は低下しました。

★アメリカやドイツの新興工業国の成長
イギリス農業が崩壊した原因のひとつにアメリカから安い小麦が流入したことです。
1870年ごろから当時の先端技術だった鉄鋼業が「鉄の時代」から「鋼の時代」に移っていきました。
英国はこの技術転換がうまくいかず、「世界の製鉄所」の地位をアメリカやドイツに追い越されていきました。

★経済ナショナリズムの復活
1873年以前は自由貿易主義が中心でした。この年を境にして世界の流れは保護貿易主義に転じ、輸入品に対して関税障壁を設けました。


世界経済の変化点



19世紀、産業革命で経済が発展し、英国が世界の中心でした。

それが1873年の”恐慌”で英国やフランス、米国、ドイツといった国々が力を持ち始め、世界分極体制が始まりました。

1945年第2次世界大戦が終わり、米国が世界の中心になりました。

21世紀、インターネットによる情報革命で世界経済は発展し始め、その中から金融革命が起こりました。

2007年”サブプライムローン問題”が起き、米国は大変な問題を抱えています。
その一方で、BRICSや他の国々が世界経済の中心になりつつあります。

今後、米国が世界の中心ではなく、力のある国のひとつになるのではないかと、最近、何人かの専門家が言い始めています。

まさに今の状況は、1873年当時の世界情勢に似通いつつあります。

個人投資家はこのような歴史の大きな流れを考えながら、今後のポートフォリオ設計を考えていく必要があります。