- 橋本 健
- 有限会社環境計画スタジオ一級建築士事務所 代表取締役
- 東京都
- 建築家
対象:リフォーム・増改築
- 木下 泰徳
- (アップライフデザイナー)
- 溝部 公寛
- (建築家)
最近の住宅デザインの特徴は、まず開口部が大きくなり、吹抜けや中庭、ガーデンを介してリビングや諸室を配置するタイプが増加し、それにつれて天井高さも従来の2350ミリ前後から2500ミリ、2600ミリまで高くなってきています。またプライバシー優先で完全独立型だった居間、台所、洗面所トイレ、浴室は、透過素材の採用で部屋数も機能も限定しない、LDK、バスユーティリティといった一体融合型へと変わってきています。また、ガラスやポリカーボネートによる光のコントロール、ルーバーやパンチングメタルによるモアレ効果や陰影の変化など、単に機能面を満足させるだけでなく、空気感や気配といった情緒的なものまで意識しているように思います。
大型化とひとくちで言っても、新築なら比較的自由にできるものが、リフォームでは、広くする為に梁や柱を移動させたり、床を抜いたりする場合がありますが、構造上、以前よりも弱くなってしまっては意味がありませんし、単に部屋と部屋の間仕切壁を撤去し、ひとつにしただけではイメージは変わらず、リフォーム効果は得られません。
お客様のなかには専門雑誌の事例写真を提示され、”こんな感じで。。”と言われたりしますが、そのままデザインしてもお客様の望む生活スタイルにフィットするとは限りませんし、「ホォ〜〜ッ!!」と感動していただける”変身”とはなりません。
たとえ小さな仕事でも、平面図だけの検討や仕様書に書き込む程度で済ませるのではなく、断面・展開・軸組と平行しつつ、繰り返し検討することが重要です。ましてや大掛かりなリフォームの場合、部屋の大きさや使いやすさだけでなく、素材やカラーコーディネーション・家具・カーテン・照明とのマッチングまで、住まい空間を切り取られた絵のようにイメージし、お客様の生活を重ねて実現させようとします。
その為にはビジュアルなプレゼンテーション、図面の他にCGパースや模型といった分かりやすいツールを使用し、あらかじめイメージを共有しておくことがとても大切です。リフォームのクレームは出来上がったものに対するものが圧倒的に多いのですが、施工精度に起因するものは別として、「こんな感じではなかった」というイメージに対する不満はその手前で解消し、「施主と共に創る時間と過程」を経たものだけが、次のトレンドになりえるのではないか。そう考えています。
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