「では、このアイデアから始めていくことにしましょう。じゃあ、誰か責任者になってくれないかな。やりたい人は手を挙げて下さい。」
店舗が抱える問題点を、改善するために開かれた店舗ミーティング。そこでは前向きな意見が活発に提案されました。そして、スタッフ自身がその中のアイデアをひとつ選び、さっそく実行して行くことになりました。さらに、司会を務めるスタッフリーダーのAさんは、ミーティングに出席していたスタッフ達に、この実行案の責任者の立候補を求めたのでした。すると、スタッフのNさんが発言しました。
「Aさん、このアイデアって、Mさんが提案したんだから、Mさんに責任者をしてもらったら良いんじゃあないですか?やっぱり提案した責任を取ってもらわないとね~」
実は、ミーティングや会議で、前向きな提案をしたひとが、その後で一番イヤな思いをするのが、この「言った人がやってよ」という責任の押しつけです。中には、「自分がこれをしたいから提案する」という積極的なひともいますが、多くのひとは、言った結果やらされるのはかなわないと、提案するのを尻込みすることが多いのです。
今書き進めているブログ「店長のための『言える化』推進計画」の(その20) でも、少し「言った人がやってよと言われてしまう問題」について、書いていますが、積極的に意見が言えなくなる原因のひとつに、この「提案者責任」と言うやっかいな「他力本願」「責任押しつけ」「事なかれ主義」などの空気があるのです。
このような空気があると、せっかく良い提案があっても、自分がするわけにはいかない状態や事情(他にやる事がある)(担当が違う)(先輩を差し置いて・・・)があると、言うに言えなくなるのです。これはもったいないですよね。では、どうすれば良いのでしょうか?このミーティングを進行させているAさんは、このように対処しました。
「Nさん、なるほどね。Mさんが言ったから責任を取ってもらうって、上手いこと言うわね。でも、それはちょっと違うのよ。私たちはチームなのよ。もちろん発言には責任があるけれど、その発言の責任は、全員が共同で持つものなのよ。このミーティングは、何を言っても良いんだけれど、その発言の責任は全員が持つの。だから、提案についても全員で『どれを選ぶか』を決めたじゃあない。みんなで決めた以上は、みんなの責任。Nさん、あなたも決定に参加したのよ。」
ミーティングで、意見や提案が出なくなり、進行が停滞してしまうのは、責任を「個人」に求めてしまうからです。無責任な発言をするようなひとが現れてしまうのもまた、個人にその責任を負わせるからなのです。「何を言っても平気」と思っているひとは、無責任か有責任かなんて考えませんからね。
発言、提案や決定については、チームはチームメンバーの合意で決めていくものです。それをキチンとしていったら、その責任は、自分達で負うことになるのです。そうなれば、発言は絶対に無責任にはならないのです。
「責任」を持って発言をする。これは、「誰かがやってくれるだろう」という意識ではなく、「誰がやってもその提案の成功に全員が協力する。」と言うことを自覚して「発言」すると言うことなのです。
さて、ここ何日間かは、「積極的かつ前向き提案が出なくなってしまう」と言う問題点の原因を探ってきました。明日は、もう一度、これらの原因についてまとめてみましょう。
ではまた!
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