- 吉野 充巨
- オフィスマイエフ・ピー 代表
- 東京都
- ファイナンシャルプランナー
対象:投資相談
- 大山 充
- (シニア・エグゼクティブ・アドバイザー)
- 大山 充
- (シニア・エグゼクティブ・アドバイザー)
今回は、そのポートフォリオに外国債券を加えた場合の期待リターンとリスク(標準偏差)を紹介します。
外国の債券の多くは日本国債よりも利回りが高くなります。
2014年5月30日現在の主要国の長期国債利回りは下図の通りです。上段は償還期限10年の利回り、下段は償還期間2年の国債利回りです。
見てお分かりの通り、米国FRBや欧州EUBも金融緩和を行っていて、利回りは低いのですが、日本の10年国債の利回りは、それに輪をかけた異常な低さです。
従って、外国債券をポートフォリオに加えることで、債券部門としての期待リターンの向上とリスクの低減が図れます。
外国債券を加えた際の、短期金融資産20%、日本株20%、国内債券20%、外国株式20%、外国債券20%の資産配分に基づく、ポートフォリオの期待リターンは3.5%、リスク(標準偏差)7.9%になります。(イボットソン アソシエイツ ジャパン社のFP PoPSにて試算)
この場合、単年度の成果の最悪の場合には、コストを考慮しないで、最大12.3%の損失が出る可能性があります。前回紹介した、外国債券を含まない資産配分の際には、期待リターンが4.0%で、リスクは8.5%でしたので、期待リターンは0.5%下がりますが、リスクも0.6%下がりました。ただ、リスクの抑制効果が、前回に比べ小さくなっています。
これは、外国債券と外国株式は、債券と株式が持つリスクに、外国為替の為替リスクが加わるからです。今回のシリーズで説明している期待リターンは全て円換算のものです。
前回も、提示しましたが、為替は下記のように変化の大きなものです。
グラフは2013年9月30日から2014年5月30日の円・ドル(紫色)、円・ユーロ(黄色)、円・ポンドの騰落推移です。11月から年末にかけて円はポンドとユーロに対して10%安く為っています。その後もポンドは円安を保っていますが、ユーロは5月に円高方向に振れています。
このように、為替の変化が大きい中で、外国債券の利回りは、株と比べると相対的に低いので、収益率も低くなります。ましてや現状は国際的にバブルと称されるほど低金利政策が取られています。それを考慮して、資産配分に組み入れください。
FP学会会員
独立系顧問料制ファイナンシャル・アドバイザー
オフィス マイ エフ・ピー 代表 吉野 充巨
FPプラス投資助言で人生設計から資産形成まで一貫してサポート
保険や投資信託を販売しないファイナンシャル・プランニングの専門家。
あなたのセカンドライフ・プランに適した期待リターンとリスク許容度で資産配分とポートフォリオ構築をあなたに適した口座の開設から銘柄選定までサポートします。
【保有資格】
ファイナンシャル・プランナー:日本FP協会認定CFP®
日本証券アナリスト協会認定 プライマリー プライベート・バンカー
『このコラムは、投資判断の参考となります情報の提供を目的としたものであり、有価証券の取引その他の取引の勧誘を目的としたものではありません。
投資による損益はすべて読者・ご相談者ご自身に帰属いたします。投資にあたりましては正規の目論見書、説明書等をご覧いただいたうえで、読者・相談者ご自身での最終的なご判断をお願いいたします。
本コラムは、信頼できると判断した情報に基づき筆者が作成していますが、その情報の正確性若しくは信頼性について保証するものではありません。』
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