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「木の仕事 和楽器製作者の仕事」展

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 物事を知り始めるともっと知りたくなる、裏側まで知りたくなる。

興味とはそうゆうものです。

 

 先日、東御市文化会館で開催されていた「木の仕事 和楽器製作者の仕事」の展示会に行ってきました。

この展示会は東御市文化会館主催の催し物で、「木の仕事」に焦点をあてて職人の技を紹介するというシリーズで、今回が5回目になります。

今回の「木の仕事」は東御市内に琴と紬の工房「結」をかまえる吉澤武さんの製作した筝を中心に、吉澤さんのお弟子さんの中川祐一さんの筝、小諸市在住の筝の弦を張る専門職人である別府栄さん、上田市在住で三味線製作職人の髙橋信弘さんの四人展でした。

 

 楽器の「こと」には「琴」と「筝」という漢字が使われています。

基本的な違いは筝が調弦をするのに柱(じ)を用いるのに対し、琴は柱を用いないという点です。

一般的には筝も「琴」の字が使われています。ですので「琴」のほうが馴染み深いでしょう。

 

 打楽器にも木でできている楽器も多く、筝と共通することが多くあります。

マリンバやシロフォンの音盤、スネアドラムの胴(胴の素材は木製と金属製のものが主なもの)、クラベス(拍子木)は木自体が楽器になります。

もちろんスティックも木。

 

 木の種類によって音色が変化するので筝がどのような素材で作られているか、職人の手によってどのように楽器として音楽を奏でる道具になるのかを直に見ることができました。

会津で切り出された桐の原木、筝の形に切り出された木、反響させるために刳りぬいた木、手彫りで装飾された木、というようにひとつひとつを職人の手によって加工される姿が展示されており、熟練の手により完成するまでの様子がよくわかります。

 筝は音色に響きを与えるものに「綾杉(あやすぎ)」という部分があります。

筝はヴァイオリンのように中空になっており、筝の内側には音が反響するようよう細かな溝が掘られている。それが綾杉。

溝の深さ、目の細かさや角度、それらによって音の良い楽器になるかどうかが決まるそうです。

非常に繊細で手の込んだ部分でした。

このように楽器の内側を見ることができるというのが展示会の一番の楽しみです。

 また、筝を製作するのに使う道具も展示されていて、特に約20挺の様々な大きさのかんなが印象に残っています。

 

 今回、筝の弦を張るためには専門の職人がいるということを初めて知りました。

別府さんにお話しを聞く中で、近年の筝曲のレパートリー、特に現代ものの作品を演奏するために弦の素材を変化させているということをお聞きしました。

「演奏する楽曲と楽器の性能の進化は一体」ということを楽器製作者側から聞くことができ、改めて感銘を受けました。

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