- 村田 英幸
- 村田法律事務所 弁護士
- 東京都
- 弁護士
対象:民事家事・生活トラブル
- 榎本 純子
- (行政書士)
労働者災害補償保険法の遺族補償年金の受給権者
最高裁判決昭和53年11月20日、遺族補償年金不支給処分取消請求上告事件
訟務月報25巻5号1358頁、最高裁判所裁判集民事125号701頁、金融・商事判例566号44頁、判例時報912号50頁
【判示事項】 労働者災害補償保険法上の遺族補償年金の受給権発生前から直系血族又は直系姻族以外の者の事実上の養子であつた者が、右受給権の発生後養子縁組の届出をして右直系血族又は直系姻族以外の者の法律上の養子となつたときは、同法16条の4第1項3号の所定の「養子となつたとき」に当たり、右遺族補償年金受給権は消滅する。
【参照条文】 労働者災害補償保険法16条の4第1項
労働者災害補償保険法
第十六条の四 遺族補償年金を受ける権利は、その権利を有する遺族が次の各号の一に該当するに至ったときは、消滅する。この場合において、同順位者がなくて後順位者があるときは、次順位者に遺族補償年金を支給する。
一 死亡したとき。
二 婚姻(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)をしたとき。
三 直系血族又は直系姻族以外の者の養子(届出をしていないが、事実上養子縁組関係と同様の事情にある者を含む。)となったとき。
四 離縁によって、死亡した労働者との親族関係が終了したとき。
五 子、孫又は兄弟姉妹については、十八歳に達した日以後の最初の三月三十一日が終了したとき(労働者の死亡の時から引き続き第十六条の二第一項第四号の厚生労働省令で定める障害の状態にあるときを除く。)。
六 第十六条の二第一項第四号の厚生労働省令で定める障害の状態にある夫、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹については、その事情がなくなったとき(夫、父母又は祖父母については、労働者の死亡の当時六十歳以上であったとき、子又は孫については、十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にあるとき、兄弟姉妹については、十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にあるか又は労働者の死亡の当時六十歳以上であったときを除く。)。
○2 遺族補償年金を受けることができる遺族が前項各号の一に該当するに至ったときは、その者は、遺族補償年金を受けることができる遺族でなくなる。
第十六条の六 遺族補償一時金は、次の場合に支給する。
一 労働者の死亡の当時遺族補償年金を受けることができる遺族がないとき。
二 遺族補償年金を受ける権利を有する者の権利が消滅した場合において、他に当該遺族補償年金を受けることができる遺族がなく、かつ、当該労働者の死亡に関し支給された遺族補償年金の額の合計額が当該権利が消滅した日において前号に掲げる場合に該当することとなるものとしたときに支給されることとなる遺族補償一時金の額に満たないとき。
○2 前項第二号に規定する遺族補償年金の額の合計額を計算する場合には、同号に規定する権利が消滅した日の属する年度(当該権利が消滅した日の属する月が四月から七月までの月に該当する場合にあっては、その前年度。以下この項において同じ。)の七月以前の分として支給された遺族補償年金の額については、その現に支給された額に当該権利が消滅した日の属する年度の前年度の平均給与額を当該遺族補償年金の支給の対象とされた月の属する年度の前年度(当該月が四月から七月までの月に該当する場合にあっては、前々年度)の平均給与額で除して得た率を基準として厚生労働大臣が定める率を乗じて得た額により算定するものとする。
第十六条の七 遺族補償一時金を受けることができる遺族は、次の各号に掲げる者とする。
一 配偶者
二 労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していた子、父母、孫及び祖父母
三 前号に該当しない子、父母、孫及び祖父母並びに兄弟姉妹
○2 遺族補償一時金を受けるべき遺族の順位は、前項各号の順序により、同項第二号及び第三号に掲げる者のうちにあっては、それぞれ、当該各号に掲げる順序による。