- 塚本 有紀
- フランス料理・製菓教室「アトリエ・イグレック」 主宰
- 大阪府
- 料理講師
対象:料理・クッキング
- 黄 惠子
- (料理講師)
フォワ・グラと金時人参のラペ
新年一番目は、京都のレストラン「MOTOI」へ。モトイさんはシェフのお名前です。
京都市中京区富小路二条下ル俵屋町186
http://kyoto-motoi.com
日本家屋ののれんをくぐって、お部屋へ。もとは大正時代の呉服屋さんの建物なのだそうです。前庭と中庭があり、びっくりすることに畳も、1階の天井も抜いてあります。だからガラス戸の位置が床より少し高く、また上を見上げると、すぽんと2階の天井が見えるのです。あらぬ場所に2階の障子も! とても素敵な和風でモダンな空間が出現します。
昔ながらの向こうがゆらゆら見えるガラス(通じますか?)もなんとも懐かしい感じ。ホール中央にはそれはそれは大きな立花があり、お正月気分も満載です。
信州サーモン、キャベツのデクリネゾン
このサーモン、生に見えますが、生ではありません。でも煮えているわけでもないのです。本当に不思議な食感。ふわっとごく微かに薫る煙のにおいは炭由来で、なんと37℃で火を入れているのだそう。他のお料理もとてもおいしかったのですが、これはなんともいえず秀逸でした。
スズキがほんとにジャストの火通り。うろこを立てて揚げた松笠仕立てにしてあります。これも素晴らしかった!
25種類もの小さい野菜が添えられています。
EMポークのロースト。低温で火を入れ、最後に炭で焼いてあるのだそう。
デザート1はラ・フランスのソルベの下に八丁味噌のかりかりとした・・何でしょうか、でも八丁味噌!
デザート2はとろんと柔らかいキンカンのプリン
デザート3は2種のチーズによるボノム・ドゥ・ネージュbonhomme de neige(雪だるま)
料理が出されるとき、私はどんなに同席者としゃべっていたとしても、必ず話しを止めて説明を聞きます。せっかくのお料理、説明を聞いたほうが倍もおいしいですし、どれだけの人達がどれだけの時間をかけて準備をしているかを考えたとき、聞かない手はありません。
だから、いつもサービスの方々のお顔を私は無意識に見ていると思います。
このレストランでは、毎回かならずふっと笑顔を浮かべられます。自然に。
「いいお顔だなあ」
としみじみ思いました。男性も女性も、です。こんなことを感じたのは初めてでした。
もとはきっと心して笑おうと努めていらしたのでしょうが、とても自然な感じでした。かくあらねばと思わされます。今度から聞くときは、私もゆったりと微笑んでみようと思います。
おいしい料理、温かいもてなし、大好きな友人たちとの時間。新年早々、じつに幸福な時間でした。何かいいことありそうな!