この世とあの世を行き交うかぐや姫の話 - 独立開業全般 - 専門家プロファイル

中山おさひろ
東京都
起業コンサルタント

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対象:独立開業

尾崎 友俐
尾崎 友俐
(経営コンサルタント)

閲覧数順 2024年04月27日更新

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この世とあの世を行き交うかぐや姫の話

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 1958年漫画映画による製作が発案され、2005年に製作決定。13年11月にやっと公開された、高畑勲監督映画「かぐや姫の物語」を見てきました。原作の竹取物語は、日本最古の物語と言われ、平安時代初期には既に話の内容は知られていたようです。同じような竹から姫が生まれた話は、日本各地にあります。

 わたしがこの映画を見たいと持った動機は、製作会社のジブリ前社長・鈴木敏夫さんが、ラジオでこの映画が完成するまで、大変な時間と費用がかかったことを話していたからです。映画製作の氏家斎一郎・前日テレ社長は、既に亡くなっています。育ての親のお爺さん役の声を演じた地井武男さんもいません。 

 映画というビジネスで考えますと、これほど経済性を考えず、時間をかけた製作は、現代ではほとんど無理と思われます。今年78歳の高畑監督はそれを可能にして実現しました。竹取物語には、日本初の物語と言うだけでなく、わたしには日本に数多くある民話の原型があると思っています。 

 勝手なわたし個人の解釈ですが、若い娘を亡くした両親の悲しみを、この物語が綴っているように思うからです。竹から生まれた子供が、美しい女性に成長し、京の都の権力をもった男たちが、嫁にしようと誘います。最後は帝の誘いまで断って、自分をこの世に送り出した月に向かって、十五夜に戻っていく話。 

 人間の寿命がとても短かった時代、特に幼児が無事成長するのは少なかったと思います。せっかく娘まで成長したのに、亡くなってしまっては親の悲しみは計り知れません。そのため、月から迎えに来たということで、今も月で元気に生きていると思いたい気持ちがあったのではないでしょうか。 

 わたしが50代になって考えるようになった死生観は、人間はあの世から一時だけこの世で生きることが許されている存在。人類の歴史は、延々とそんな一時生きることの許された人間が連続している社会のような気がします。いつ、あの世から迎えが来ても後悔しないように、今現在を必死に生きようとするものです。 

 竹取物語が描く話には、そんな背景があるような気がして、以前から興味をもっていました。長い人生のようですが、そう考えますと思いのほか残された時間は短いです。起業をして人のため、社会のために仕事をしようとする人に、少しでも役立ちたいと、映画「かぐや姫の物語」をみて意を強くしました。 

【一言】

 映画は、月に1本程度のペースで見ています。わたしにとって、落語と水泳と映画は、気分転換には最適な楽しみです。コンサルタントと言う仕事は、起業する人のストレスの一部を、相談と言うカタチで引き受ける仕事。気分転換は、仕事と同じように欠くことができません。起業する人にも、熱中できる楽しみをもつことを勧めています。

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