英語にまつわる4つのエピソード (心の重しと雑談力) - マンツーマン英会話 - 専門家プロファイル

大渕 ゆかり
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英語にまつわる4つのエピソード (心の重しと雑談力)

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こんにちは

大渕ゆかりです。

台風が日本列島に近付いています。土砂崩れや浸水等の被害が出ませんように。


私のプロフィールの最初に、「心の重しを取り去る」レッスンと題してありますが、今日は

それに関連したエピソードをいくつかお話ししたいと思います。


エピソードその1

先日、「英国王のスピーチ」という映画を見ました。

 吃音に悩まされたイギリス王ジョージ6世とその治療にあたった言語療法士との友情を史実を基に

描いた作品で、ご覧になった方も多いと思います。

ジョージ6世が吃音になったきっかけは幼少時代の寂しさや内気さを叱責された思い出等でした。

まさに「心の重し」です。 


時は第2次世界大戦の足音が迫る頃。内気で吃音というコンプレックスを抱えていても、王として国民を鼓舞する

スピーチをする責務があります。

吃音を直したい一心で多くの医者を訪ね、最後に辿り着いたのが一風変わった方法を取るスピーチセラピストでした。

歌いながら、或いはダンスをしながら心の緊張をほぐしていくと、王は普通に話せるのでした。

体の緊張を解くためのトレーニングもします。心と体は密接に繋がっていますから。

正しい発音をする為の発音筋のトレーニングもします。(英国人でさえ発音筋のトレーニングが必要だった事に私は驚きました。)

そして、王の幼いころの心の傷にさえ遠慮なく触れ、過去は過去だ。勇気を出しなさい、と励まし続けます。

そしてついに、王は最高のスピーチを成し遂げるのです。


エピソードその2

私が3年半ほど教えてきた6年生のAちゃんはとても英語の感がよく、素晴らしい発音とリズムを身につけ、また、私が普通のスピードの英語で話しかけても、ほとんどを理解できます。発表会でも一人で舞台に立ち、絵本の暗唱やスピーチをすることが出来ます。

最近ではゴスペルクワイヤーにも加わり、大人でも難しいスピードの速い英語の歌詞をなんなく歌っています。この夏、米国人女性による一日英語キャンプというのがあったので参加を勧めましたが、どうしても行きたくないの、の一点張りでした。 こんなに良い発音で話せて、聞きとりもできるのにどうしてだろうと大変疑問に思いました。

 よく、話を聞いてみると、過日、インド料理店でインド人の方が同僚と話していた英語が良く解ったので、自分からも話しかけてみたのだそうです。 ところが何度も聞き返されて、後でお母様に「通じなかったね」と言われたと。 私は、自分から話しかけた勇気を誉めたたえたのですが、

どうやら、その時に受けた「通じなかった」という気持ちが尾を引いているようです。

国ごとに母国語なまりの英語があるので、難しいと言うことがまだ理解できる段階ではなかったのです。


エピソードその3

友人が日本人と米国人での英語での会議に出た時の事です。

日本人の技術者の方はブロークンな英語ながら、専門的な英語を完璧に用い説明を続けていたそうです。やがて会議は休憩に入り、気分がほぐれて雑談になったのですが、友人は奇妙なことに気付いたそうです。

先ほどまであれほど雄弁に語っていた日本人技術者の方が一言も発しなかったのです。


エピソードその4

最近は日本でも「ビジネス雑談力」という講座が開かれています。

ビジネスパーソンは「対面して」会話・商談をします。そこで行われる会話は、決して「商品説明」や「クロージング」だけではありません。ビジネス中の会話の中の多くを占めるものに「雑談」があります。雑談はビジネスと密接な関係があります。人間関係を円滑にするための「雑談」は、必須のビジネス力の一つです。各地で講座が開かれると言うことはそれだけニーズがあるということでしょう。


エピソード1から私が感じた事は、

「心の重し」の力の大きさです。そしてその重しをはねのける為には、体の緊張をほぐす、心の問題と向きあう、そして吃音の為使われていなかった発音筋を鍛え直す。といった多面的なアプローチが必要だと言うことです。


 エピソードその2から感じたのは、

「ああ、日本人はこうやって、心に重しを積み上げていってしまうのだなぁ」と言うことです。小学校2年生から努力を重ねて、素晴らしい発音を身につけていてさえ、一度の挫折感で大きく傷づいてしまうのですね。


エピソードその3、

その技術者の方は、本来は口数の少ない方だったのかも知れません。

ですが、もしかしたら、ご自分の専門分野についてのボキャブラリーについては特別に勉強なさったけれど、その他の話題についてはどう話したらよいのか解らなかったのかも知れません。

「雑談」と一口に言いますが、実はテーマの無い会話ですから時事問題、最近はやりの食べ物やレストランの事、この夏の休暇の事、格安航空券があるよ、とか、或いは日本との習慣の違いについて話が及ぶかも知れません。英語での雑談が出来るようになると、きっと英語力が上がったことを実感できると思います。プラス、ジョークも交えることが出来ればさらに上級者です。


エピソードその4では日本でも「ビジネス雑談力講座」が開かれていることをご紹介しましたが、

何語でビジネスをするにせよ、雑談力は欠かせないということですね。結局は人と人との信頼関係が全ての基本で、そこまでに至る為には仕事以外の話も適度にして、自分がどういう人間であるか、相手に解って貰うことが必要でしょうから。

  

さてさて、今日は4つのエピソードをお話ししました。 皆さまは何をお感じになりましたか?


私がこれらのエピソードから重要と思ったのは

1. 心の重しを取り除くこと

2. 雑談力を付けること

です。


本講座でも、1については基礎講座で、2については応用講座で特に重点を置いています。


1. まずは、通じる発音、イントネーション、リズムを身につけて、通じた!という実感を積み重ねて行けば、

  重しなど跳ね返えせます。後はぐんぐんと伸びるだけです。


2. そして、簡単なテーマでのディベートを繰り返すことで雑談力を付けて行きましょう。

  それにはギャンビッツと呼ばれる「合いの手言葉」を豊富に覚える事も重要です。

  例えば、

  That’s amazing!

  But, indeed.

  You may be right, but

  I’m not very familiar with this subject, but….

  等など、とにかく沈黙せずに積極的に会話に参加することが大事です。


感情をしっかり乗せてイントネーションを付けることもとても大事です。

イントネーションが違うだけで、相手の受け取り方が変わってしまいます。言ってみてください。

Yes・・・普通に

Yes?・・・疑うような口調で

Yes・・・確信を込めて/自信なさげに

同じYesでも、こんなに違ってしまいます。


雑談力を付けるために、様々な事柄について自分はどう思うか、と通勤中などでちょっと考えてみて、

そこで必要な単語は調べて憶えて行くと良いと思います。

食べ物の話題でも、どう説明すれば伝わるか、言い方はいろいろあると思いますよ。  

備えあれば憂いなし、です。




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