集成材と無垢 構造材にはどちらを選ぶ? - 住宅設計・構造設計 - 専門家プロファイル

鈴木 克彦
株式会社マクス 代表取締役
建築家
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集成材と無垢 構造材にはどちらを選ぶ?

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家造りで『一番』大切なこと
集成材のノリは、
「白ノリ」と呼ばれる、イソシアネート系接着剤と、
「黒ノリ」と呼ばれる、レゾルシノール系接着剤、
に大別されます。

元々の歴史は、黒ノリの方が長く、構造用集成材としての実績も古いです。
接着剤の性能も高いため、大断面集成材は、全てこの黒ノリで製造されています。

よく見かける、体育館や室内プールの木造の屋根は、この黒ノリで製造された大断面集成材で出来ていますし、マクスでも以前取り組んでいたリゾート建築のアーチハウスの構造材なども同じです。

対して白ノリは、接着剤が硬化すると透明になるため、木肌が綺麗に見える事から、ここ数年で急速に普及しました。
水溶性の溶剤を用いるため、シックハウスの原因の揮発性有機物質の放出の危険が少ないことも普及の要因と言われています。

でも何より、コスト的に、黒ノリより安くできる、と言うのも普及の要因でしょう。
コスト至上主義が今の日本の建築の現実です。


白ノリは、黒ノリに比べて硬化時間が短い為に集成材の製造管理が難しく、かなりのノウハウが必要です。

上記の様な理由で、需要が急速に拡大したため、技術を伴わないまま製造に乗り出すメーカーが国内外で増加したことが大きな問題。

木材と木材を接着する面の削り具合・接着剤で重ね合わせた後の圧着用のプレス機、これらは全て黒ノリと白ノリでは本来異なるのです。


そもそも、JAS規格では、「集成材は、一切の剥離があってはならない」とは書いてありません。
つまりは、たとえ剥離しても、裁判で訴訟が出来ない可能性が高いわけです。

「日本各地で集成材の柱や梁が剥がれる事件が多発している!」
と書いたら嘘になります。
ですが、実際に剥がれて問題になっている事例があるのも事実です。


だから、
「集成材は公共建築物で多くの実績があるので安心です」
「高い品質管理で性能が一定しているので安心です」
と言う営業トークを安易に信じてはいけないなと思うわけです。


私は、
「やっぱり無垢が良い」
と言いますが、
「無垢は、割れるし、反るし、狂います」
とも言います。


ただし、【強度=耐久性】ではありません。
住宅を長持ちさせるには、やはり無垢の構造材が良いと思いますし、材料を吟味すれば、集成材に匹敵する強度を持った無垢材もちゃんとあります。
もちろん、全ての無垢材が集成材より強度がある、何て言ったら嘘になります。

ものには全て、短所と長所があります。
きちんと理解した上で、選択することが肝要かと思います。