無差別殺傷しないためにお菓子を食べよう - ビジネススキル研修全般 - 専門家プロファイル

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閲覧数順 2017年04月29日更新

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無差別殺傷しないためにお菓子を食べよう

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ニュースから

今日 2013年6月8日は、東京秋葉原で起きた「秋葉原無差別殺傷事件」からちょうど5年になります。この事件の被告 加藤智大氏には裁判の1審、2審で死刑判決が言い渡され、現在は最高裁に上告中ですが、昨年2012年の夏に、彼自身がこの事件を解明しようと書いた本が出版されています。

加藤氏については、事件の遠因としてその生育歴があるのではないかと言った意見や、特に母親が虐待とも言えるひどく厳しい「しつけ」をしたといった証言などがしばしば報道されていましたが、私も親に「優しい虐待」をされて育った自覚があるので、このたび、加藤氏の書かれた本を強い共感の期待と興味を持って読みました。

「こういう状況ではこう感じてしまう」などの感覚的な事については共感の度合いは人によって様々だとは思いますが、それ以外にもいくつか非常に面白い指摘をされていたのでご紹介します。

1. 相手に痛みを与えて意思を通す行為は一般的である

加藤氏は、掲示板でのトラブルの相手を心理的に攻撃するために事件を起こした、と書いています。そのために無関係の人を無差別に殺傷する、という手段は言語道断なものでしたが、この類の恫喝は社会的に認められている、とも喝破しています。

彼が例として挙げているのは「宿題を忘れた生徒を殴る教師」「門限を破った子供の食事を抜く親」「反対票を投じる事をチラつかせる与党議員」などですが、「軍事力が他国からの攻撃抑止になる」という考えなども、私たちがこのような事態に、抑圧する側としても、抑圧される側としても、慣れきっている事から生まれてくるのかと思います。

2. 過失割合の考え方

ではなぜ、彼が掲示板のトラブルの相手にそこまで激昂してしまったのかという分析では、「私には、100% 相手が悪いか、100% 自分が悪いかの二択しかありませんでした。」と書いています。例えば客観的な判断が可能だったとして 60% 対 40% の割合で相手が悪い時でも、40% 分も自分が悪いとは考えられなかったという事です。また一方、相手からすると、60% と言われれば納得できたかもしれないのに、100% 分の責任を押し付けられたら不満が残ります。

彼はこの事を自分のものの考え方の傾向として挙げているのですが、私は、「0か100か」と決めたがる傾向は日本社会に普通にあるような気がします。例えば、原発や改憲などの難しい問題を議論する時に、内容より先にまず「賛成派」か「反対派」に分かれてしまってその先の話を進めるのが難しくなるといった事態は、このような考え方の傾向から来ているのではないでしょうか。

3. 安全弁を複数用意する

さてでは、なぜ彼が秋葉原の交差点で実は何度も逡巡したにもかかわらず最後まで突き進んでしまったかという点については、彼を社会の中に引き止めるものが少なかった、社会との関わりが希薄だったから、と分析しています。

例えば、友達が悲しむ、親が悲しむ、子が悲しむ、または、あの人に借金を返してない、楽しみにしていたゲームが来月発売だ...何でもいいのですが、気がかりな事が何かあれば、それは犯行を思いとどまる要因になっただろうという事です。

そして「一線を超えないために」という章の中で「似たような事件はもう起こらないでほしいと願っています。」と書き、一つの問題にこだわってしまわないための安全弁として、このような趣味を持ったらどうだっただろう、ペットを飼うのが良かったかもしれない、と様々に具体的な提案をしています。

本当の反省

今現在彼が拘置所の中でできる事は限られていますので、もう一度凶行に走る事のないように考えた安全弁は「お菓子を食べる」事なのだそうです。習慣になってしまっている悪い考え方が頭をよぎったら「それよりお菓子を食べよう」と思い、実際に食べるという行動をする事で、極端な考え方を変えていこうとしているのです。

私は、この事を、非常に真摯な反省方法だと思います。

この事件に関しては亡くなられた方も多く、その意味で加藤氏は憎むべき犯罪者なのですが、それでもなお、ここまでご自身と向かい合い、その過去と考え方を掘り下げられた加藤氏の努力と勇気に敬意を表します。

また、この並々ならぬ努力と勇気の成果を、私たちの今後の社会の貴重な財産となるべく出版された出版社、編集者の方にも同様に敬意を表します。

「解」Psycho Critique 17   加藤智大 著 批評社

この本の中には、現在を生きる私たちに役立つたくさんの示唆が詰まっていると思います。ぜひ多くの方に読んで頂きたいと思い、ここにご紹介致します。

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