山本 雅暁
ヤマモト マサアキグループ
オープン・イノベーションによる事業化成功の秘訣-4
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2017年2月1日
皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。
本年1月4日付のブログ・コラムで「中小企業経営研究会」が発行しています「近代中小企業」の2017年1月号に、オープン・イノベーションによる事業化成功の秘訣を徹底的に洗い出してみる!!』のタイトルで記事を書いたことについて述べました。
★協業(アライアンス)のメリットとは
★アライアンス先の選択方法と注意点
★アライアンスの基本スキーム
★アライアンス推進の課題と対応
★契約の締結その実務と留意事項
★まとめ アライアンスの成功の体制・方法・秘訣
本ブログ・コラムにて、その主要内容を6回に分けて書いています。
本日のブログ・コラムでは、第4回目として「★アライアンス推進の課題と対応」について述べます
★アライアンス推進の課題と対応
アライアンス推進のポイントを、以下に述べます。
1.リーダーの存在
強い意志をもった企業及び社長がリーダーとなる必要があります。リーダー不在は、単なる横串の仲良しクラブ的な集団になってしまい、やるべきことや優先順位が決まらない烏合の衆です。
リーダーは、アライアンスチームを維持・運営できるスキルを持っていることが前提です。
2.異業種他社
基本的には異業種他社になります。同業他社ではライバル関係になることが多く不要な摩擦や誤解などが生じやすく、また一定期間内に所定の成果を出すためのチーム運営が、スムーズにできなくなるリスクがあります。
3.事務局の必要性
リーダーの時間が取れない場合は、事務局を設置しリーダーの意志に沿って動ける人で運営します。事務方の選出は慎重に行い、リーダーに代わりチーム運営
をできる人が絶対条件になります。選出を誤るとチームは崩壊します
4.相互チェック
メンバー企業間で「Win/Win」の関係を維持できているか常に観察します。関係が維持できない企業が出た場合、即座にメンバー企業の交代を行うことが肝要です。
5.関係の解消
アライアンスの特徴である柔軟性を最大限活用するためには、何時でも関係を
解消してもいいように準備をしておきましょう。
6.中断・中止の備え
中小企業は、アライアンスへの対応を誤ると経営に大きな影響が出る可能性が
あり、中断・中止に対する備えも含めて事前にかつ周到にしておくことが大事で
す。アライアンス内容をあいまいにしておくと、知財情報やノウハウなどが流出
し、自社の開発や事業展開に大きな影響が出る可能性もあります。
7.文書化
前項同様、以下の内容は相手側と明確に取り決めて文書化し、契約を結ぶことが重要になります。
・目的(客観的な数値やデータで具体的に書く)
・解決すべき課題
・成果目標(目標売上金額や開発・商品化の内容や時期など詳細に記述)
・成果の共有の仕方(いわゆる分け前)
・費用の分担、失敗したときあるいは想定しない事態が発生した場合の対応(事業の停止やそれまでに発生した費用の分担、参加企業・組織の責任の取り方など)
・アライアンス中に発生する知財情報(特許やノウハウなど)の扱い方
・機密保持
・スケジュールと役割分担などになります。
多少、交渉や契約に時間がかかりますが、面倒だと思わずにきちんと対応することが肝要です。
8.最終決定
所定の効果が出たらメンバー企業と協議して、継続をするのか、解散をするのか決めます。継続する場合は、新しい共通目標の設定とお互いのWin/Winの関係構築ができることを確認して実行に移します。
次回は、5回として、「★契約の締結その実務と留意事項」について述べます。
なお、今まで書いたブログ・コラムは、下記Webサイトをご覧ください。
★オープン・イノベーションによる事業化成功の秘訣-1 [アライアンスから期待する効果]
URL; http://bzsupport.blog.so-net.ne.jp/2017-01-07
よろしくお願いいたします。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁
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