対象:インプラント・歯科口腔外科
歯周病があるとどちらも出来ないと聞きましたが本当でしょうか?
歯周病予防の良い方法を教えてください。
AGAPE440さん ( 神奈川県 / 男性 / 38歳 )
回答:2件
山内 浩司
歯科医師
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歯周病に歯列矯正とインプラント
歯科インプラント治療を中心に診療させていただいている私なりにお答えさせていただきますね。
まず、日本の歯医者さんはたいへん起用で、虫歯治療に止まらず、歯周病、矯正、インプラントなど多岐に渡り精通されている歯医者さんが多くいらっしゃいます。アメリカなどのように一人の患者さまが複数の専門医に通うような事がなくてすむケースが多いのです。
また、インプラントや歯列矯正も目的によっては歯周病治療と並行して行なわれます。例えば、上の前歯が下顎の前歯に押され続ける事で出っ歯のように拡がって来てしまうフレイアウトと言う現象があります。これの原因は、奥歯の噛み合わせの喪失や咬合低位と歯周病によるものです。加齢変化と捕らえがちなこの現象も、奥歯の噛み合わせを再構築し、歯列矯正をすることで治せます。
歯周病の主な原因は、生体の元々持ち合わせた体質と、口腔環境に起因する細菌感染と、噛み合わせによる力と、タバコなどの生活習慣です。歯周病予防の良い方法としましては、規則正しい生活をお心掛けいただくことと、歯ブラシなどで口腔環境を清潔にお保ちいただくことと、常に安定した噛み合わせを維持される事です。
写真は、歯周病の方に小矯正をし、インプラントにて歯と噛み合わせを再構築させていただいたものです。また、ここでは書き入れませんでしたが、多くの症例なども載せさせていただいている私のブログもご参照いただけると幸いに存じます。
『生涯歯医者ジョナサンインプランターのメモ』
<<http://blog.livedoor.jp/kotoichi1963/
晝間 康明
歯科医師
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歯列矯正治療と歯周病
こんにちは,東京都立川市ひるま矯正歯科の晝間康明です。
歯周病を罹患している患者さんの歯列矯正についてご説明いたします。
歯周病は、歯周病原因細菌が歯と歯肉の間に入り込み炎症を起こし歯を支える骨(歯槽骨:しそうこつ)を溶かす病気です。この細菌を完全に取り除くことが出来れば歯周病の進行は止まります。しかし、歯周病の原因細菌を永久にかつ完全に取り除くことは現実的には難しく(不可能)です。そこで、原因菌が炎症を起こさないレベルの量に減少させ維持することが大切です。
しかし、歯周病が進んでしまい歯槽骨を重度に溶かしてしまった場合は歯槽骨を再生することが出来ない病気です。
また、歯周病は部分的に重度である場合や全体的に重度である場合があります。
歯列矯正治療は、歯列矯正後の歯並びがきれいになることで歯が磨きやすくなり歯に細菌がつきにくくなり歯周病の予防に効果があります。
しかし歯列矯正治療中は、本来デコボコのない歯の表面にブラケットやワイヤーなどの矯正装置が装着されるため、細菌が増殖しやすい環境となり一時的に歯周病のリスクが高まります。
したがって、軽度〜中度の歯周病であれば矯正治療を開始する前の歯周治療と矯正治療中の予防管理をしっかり行うことで矯正治療が可能です。
しかし、重度の歯周病が全体的に広がっている患者さんの場合、歯周病予防が困難である場合があり、その際は矯正治療が不可能であったり、矯正治療を部分的にのみ行う場合があります。
回答としては
「歯周病があっても歯列矯正治療は可能ですが、歯周病の進行状態や管理体制によって異なる」
となります。
以上、参考になれば幸いです。
(現在のポイント:-pt)
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