対象:インプラント・歯科口腔外科
根岸 春
歯科医師
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顎関節症とは
所謂、顎関節症とは顎の関節の辺りに異常が現れることの多い症候群の名前といった感じのものです。
症というのは状態のことですから、高血圧症とは血圧の高い状態だ。 という意味でして、本来それ自体が病気ではないですがちょっとまずいですよ、ということです。が、顎関節症という名称は???意味わかりませんね。命名した人もなんだかわからなかったのでしょう。頸椎症、膝関節症というのも怪しげです。
骨や軟骨、関節円板の変形が原因というのが整形外科的普通の回答です。ところが近年、それはおかしいんじゃないかというのが、トリガーポイント治療を行っている先生の方から出てきまして、私もその通りと思います。ちょっと考えてみても骨が原因だというのに、あまり痛くない日もあったりするし、変形している人でも痛くない人はけっこういます。私も頸椎のレントゲンをかなり調べましたが、こんなんでいいのかという状態でもまあ、大丈夫な人は大丈夫です。(完全に問題なしではありませんが)
骨の変形等は結果です。原因ではありません。そして変形を引き起こす元を改善しなければなりません。それは第一に筋肉の持続緊張です。
本来、普段上下の歯は離れていてかみ合っていませんので、噛み合わせが原因云々というのはおかしな話です。しかし、歯からの影響があるのも事実でして歯を調整してよくなることもあります。つまり、その方法でも筋の緊張を減らすことが可能なこともあるわけです。しかし、重傷な方にはかなり危険です。逆に悪化することもあります。本来は正しい歯の状態にしてもです。
歯を削ってよい場合もありますが、これはさらに危険です。特に下の前歯は絶対にやめた方がよいのです。これは治療の原則です。
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