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小笠原 隆夫 専門家

小笠原 隆夫
経営コンサルタント

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倒産や廃業でも、支払義務は免れない

2008/10/07 14:45
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 まず、倒産や廃業になったとしても、退職金は賃金と同じように労働債権として残りますから、その支払義務は免れません。従業員については救済措置として国の未払賃金立替払制度があり、要件を満たせば未払金の8割を立替払いしてくれますが、あくまで立替なので、事業主には支払請求がされます。

 次に、既にある退職金制度を廃止したり、支給金額や要件を切り下げたりする就業規則の改訂は、不利益変更にあたります。「支払は経営状況による」等というのも、会社の都合で払ったり払わなかったりするということですから、これにあたると思います。
 変更を行うにあたってはそれなりの合理性が必要になり、以下を総合的に考慮して判断するものとされています。
 ○労働者が被る不利益の程度
 ○変更の必要性の内容・程度
 ○変更後の就業規則の内容自体の相当性
 ○代償措置その他関連する他の労働条件の改善状況
 ○労組等との交渉の経緯、他の労働組合又は他の従業員の対応
 ○同種事項に関する我が国社会における一般的状況

 要するに不利益変更する場合は、それがどの程度必要なのか十分に考え、また、可否は別にしても何らかの代償措置を考え、労働組合や従業員代表などと誠心誠意、協議を尽くさなければならない、ということになります。

 単純に退職金の廃止や支給要件の切り下げを行おうとすれば、争いになった場合は会社側が不利になる可能性が大きく、このような制度改定にあたっては、何らかの代替措置(前払い制度の導入、賃金制度や評価制度ほか人事制度全体の改定等)を導入してバランスを取る工夫をしながら行うのが一般です。

 あとは、従業員に対して情報をオープンにし、会社の経営状況を誠心誠意説明することで、理解を得ていくしかないと思います。
 これには、以前からの労使の信頼関係も影響しますが、いずれにしても経営者側に求められるのは、従業員に対する誠意ある対応に尽きると思います。

回答専門家

小笠原 隆夫
小笠原 隆夫
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この回答の相談

退職金規定の就業規則の変更

法人・ビジネス 人事労務・組織 2008/10/07 08:32

従業員に対しての退職金支払いにについて・・・
会社の就業規則内では、退職時の月額・勤続年数に
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景気悪化など諸事情により会社を廃業した場合の… [続きを読む]

2代目若旦那さん (茨城県/40歳/男性)

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