対象:体の不調・各部の痛み
授乳に伴う栄養不足の有無は?タンパク源含めしっかり栄養補給を
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産後1年近く経ってからの体調不良と無月経に見舞われている模様で、繰り返しの妊娠検査で陰性ということは、妊娠およびそれに伴う悪阻は否定的です。体調不良を招く他の原因を考える必要があります。
産後まだ生理が来ていないというのは、何らかの原因で無月経になっていることの表われです。一度は産婦人科で検査を受けましょう。
妊娠中でもないのに車酔いのようなめまい、吐き気、胃痛などが起こる原因としては何が考えられるでしょうか。一つのキーワードは「授乳」です。
授乳は赤ちゃんに生きていくために大切な栄養を供給する大事な仕事ですが、その反面、母体の栄養を絞って与えているため、母親自身が栄養不足になってしまう恐れがあります。
母乳にはタンパク質、ビタミンB群、ビタミンC、亜鉛、鉄、カルシウムなどの栄養素が豊富に含まれています。生まれて間もない赤ちゃんは栄養の点で母親の母乳に100%依存しており、赤ちゃんの健康を支えているのです。
最近は母乳を与えずミルクで育てる母親が増えています。母乳を毎日何回も与えるのは本当に大変ですが、生物体である赤ちゃんにとってベストな栄養源は何と言っても母乳です。
母乳を与えつつ母親自身の健康を維持、向上させるには、母乳の栄養素でもあるタンパク質、ビタミン、ミネラルをしっかり補給することが何より重要です。
授乳中の方に限らず、現代はタンパク質やビタミン、ミネラル類の不足している人がたいへん増えています。例えば鉄が不足すると慢性的な疲労感、肩凝り、貧血症状などが、亜鉛が不足すると肌荒れや粘膜障害、味覚障害などが、ビタミンB群が不足すると集中力の低下や不眠などが生じやすくなります。
例えば野菜や果物などが不足するとビタミンB群やビタミンCが欠乏し、肉や魚などタンパク源が不足するとタンパク質や鉄が欠乏します。また加工食品の類が多過ぎると亜鉛が欠乏します。
一方で砂糖や炭水化物を摂り過ぎると血糖値が乱高下しやすくなります。血糖値が急降下して低血糖になると、倦怠感や集中力の低下、動悸、イライラ感などが生じます。また血糖値の乱高下はビタミンやミネラルを浪費するため、上記のビタミン欠乏、ミネラル欠乏の症状が現れやすくなります。
日常の食生活では、甘いものや主食類は少なめする一方、たっぷりの野菜と果物、キノコ類、海藻類、豆類、適量の肉や魚類を摂取することが大切です。
補足
その一方で、体の冷えは血流障害や代謝の低下などを通して、悪阻やそれに類した症状の悪化を招きます。体調の如何に関わらず、体の冷えは万病の基といえますので、努めて身体を温めるようにしましょう。
具体的には、昼はできるだけ運動をして体を動かす習慣をつける、夜は39℃前後の温めの湯にゆったりと浸かる、などがお勧めです。医療レベルではラドン浴や深部加温療法などがたいへん有効です。
また漢方では、めまいに効く五苓散や苓桂朮甘湯、胃部不快感に効く半夏厚朴湯などが良さそうです。
蒲田よしのクリニック(内科)
吉野 真人
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評価・お礼
あかいしまな さん
2013/03/09 09:03
丁寧でわかりやすいご回答ありがとうございました。
思い当たる点が多く、身体を冷やさないように栄養が偏らないように気をつけようと思います。
どうもありがとうございました。
回答専門家
- 吉野 真人
- ( 東京都 / 医師(精神科) )
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