必要ないと思います。

こんにちは。奈良の登美ヶ丘治療院の野口と申します。


鍼灸の不妊治療で陰部や肛門部を触診されたということですが
そのような診察法は少なくとも私は聞いたことがありません。


鍼灸治療には数多くの治療理論があり、鍼灸師の私たちでさえ
知らない治療理論がたくさんあるので「そんな診察法はありません。」
と明確に言うことはできません。
が、少なくとも陰部や肛門部を触診しなくても鍼灸の
不妊治療を行うことができることは確かです。

一般的には不妊治療において鍼灸治療で使われる診察法としては

問診、脈診（手首などの脈を診る）、腹診（おなかを触って硬い部分や痛みの
ある部分、力のない部分などを診る）、舌診（舌の状態を診る）、
望診（顔や体全体の色や状態を診る）などが一般的です。

他にもツボを触ってツボの反応を診るといった診察法をされる
治療院もあるかもしれませんが、陰部や肛門部を触る必要はないような
気がします。
（もしそのような診察法があるとしても、他の診察法で代用手段はあると
思います。）

不妊治療は女性のデリケートな悩みですので、治療に際しては
細心の配慮が必要です。
治療前にきちんとした治療の内容、目的、治療目標などの説明とそれに対する
同意をとった上で治療を行っていくのが、現在の医療の在り方のベーシックです。

場合によっては、不妊治療では下腹部のツボを使うこともあると思います。
私どもの治療院でも関元や中極という下腹部のツボを使用することも
ありますが、事前にそのツボを使う目的を説明し、同意を得て
行っていくよう心がけています。

鍼灸治療が初めての方ほど、不安は多いはずです。
もし治療や治療過程に疑問や不安を覚える場合は、施術者に相談するか、
もしくは上記のような説明と同意（インフォームドコンセント）を
きちんと行う治療院を探されるのも一つの選択ではないでしょうか。

一度参考にしてみていただけたらと思います。
治療が良い方向に進むことを願っています。