- 鈴木 将樹
- 英語総合即戦学校
- 英語講師
対象:英語
バランスというのは何においても重要であると僕は思う。これはすべてのものに当てはまる。
例えば、仕事と家庭とプライベートのバランス。精神と体のバランス。ほとんどのものは複数の要素が絡み合ってできている。これのバランスを取ることは容易なことではない。人は試行錯誤して完璧なバランスを探し求める。そのバランスは状況、個人によってまったく異なるし、正解は自分で出すしかないとも言える。バランス感覚は人生を生きていくうえで不可欠なことであると思うし、もしかすると一番大切なことなのかもしれない。
バランスが崩れているものはすぐに壊れてしまう。仕事しかやらない人は気付かぬうちに大切なもの(家庭、プライベート)を失っていくし、快楽だけを求める人は健康を損なっていき、かといって自分に厳しすぎる人は自分を追い込み精神の健康を損なう。よく「~すぎず、~すぎず」という言葉があるが、これはまさに的を射ていると思う。
前置きが長くなったが、英語もバランスが重要なものの1つである。理論と実践のどちらも重要であることは間違いない。例えば、海外生活が長い人というのは確かに流暢性があることが多いけれど、よくよく聞いてみると中国人が話す日本語のようなお世辞にも正確とは言えない英語を話している人も多い。通じればいいか、という意識が強いとこうなってしまう。
かといって、ガチガチに文法をやって正確性は高くても実践の経験が少なすぎて、発音がカタカナだったり、話し言葉ばかり使うような英語を話す人もいるが、これももちろんバランスに欠けている。
「通じればいいか」、この大胆さももちろん必要だし、文法を理解してしっかりとした英語で伝えることも大事である。このバランスというのが非常に難しい。
結局、日本人が学校であんなに英語をやるのにしゃべれないのは、バランスの欠如なのである。本当は、もっとバランスのとれた授業でなければいけないのである。正直言って、学生は1週間に何時間も英語の授業があり、しかも家庭でもかなりの時間がある。カリキュラムさえ改善すれば、相当の人が中学校・高校の英語の授業だけで話せるようになると思う。
僕の学校では文法・語彙の重要性を説いているが、かといって実践をおろそかにするわけではない。このバランス感覚を大切にしながら、最もバランスのとれた、英語力が効率よく伸びていくクラスを提供しつづけていく所存である。
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