先取り学習より教育の多次元化へ(3) - 幼児教育 - 専門家プロファイル

杉田 昌穂
青穂塾 塾長
大阪府
塾講師

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対象:子供の教育・受験

大澤 眞知子
大澤 眞知子
(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)
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(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)

閲覧数順 2024年04月24日更新

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先取り学習より教育の多次元化へ(3)

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さて、先取り学習は適切に行われているのでしょうか?3年生の内容を理解できた状態で4年生の内容へ入っていくのでしょうか?じつはそうではないのです。

多くの幼児教室・進学塾や一部の学校では、ステップをきちんと踏まない先取り学習が行われています。論理的な思考を踏まないスピードだけを重視したファストフード学習。主に暗記で詰め込んでいます。

特にステップをきちんと踏まないと問題を起こすのが、算数・数学です。算数・数学というのは、ご存じのように足し算引き算ができなければ、かけ算ができない。かけ算ができなければ、割り算ができない。そういう構造になっていますから、気をつける必要があります。

たとえば、小学1年生で習う「くり上がりのある足し算」「くり下がりのある引き算」が理解できていない小学2年生に出会ったことがあります。その子が通う私立小学校も、進学塾も、それを無視してどんどん先に進む状態にありました。特に配慮をして補講している様子もありません。むしろ理解が不完全であることに気付いていないのではないかと思いました。その結果、どんな計算をしても計算ミスが多発する状態になっていました。

また、よくある例ですが、小学校の内容がきちんと理解できていないのに、中学入試の問題練習をさせている進学塾が多くあります。その結果レベルの高い中学校に合格したのはいいのですが、小学校の内容理解が不完全なために、進学先のハイスピード先取り学習にまったくついて行けません。レベルの高い学校ほどそういう生徒をフォローする体制を持ちませんから、完全に落ちこぼれてしまいます。塾や家庭教師に頼っても、この段階からでは手遅れで、学校のスピードに追いつくことは不可能。こうなってしまうと、手の打ちようがありません。

もし小学生の段階で時間をかけて基礎を勉強をしておけば、公立中学でもそれほどレベルの高くない私立中学でも、そこそこの学習結果を残すことができますし、将来的に本人の努力でレベルアップすることも可能になってきます。ところが無理な進学をしてしまいますと、レベルアップの可能性はほとんどなくなります。悲惨な結果が待ち受けているのです。

しかも、その中学に入学すればついて行けなくなると分かり切っている生徒を、レベルの高い学校に押し込んでる例があります。こうなると一種の犯罪だと思います。

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