
- 増井 真也
- 建築部門代表
- 建築家
対象:住宅設計・構造
東京都内で家を建てる場合、20坪以下の狭小地である場合が多いです。このような敷地ではもちろんプランニングなども非常に神経を使うところではありますが、最も難しいのは「隠す」テクニックだと思います。
この場合有効になるのが、断面を利用した解決方法です。東京都練馬の家では、半地下部分の寝室の窓、そしてリビングの窓についての工夫を施してあります。半地下の寝室部分に関しては、道路から見ると足元部分に窓を配置することで、通行人の視線と内部を区切ることを意識しています。また、リビングの大きな開口に関しては、建物をぐるっと囲む木製ルーバーによって外部からの視線を柔らかく遮っています。
注意したいのはその程度の問題です。あまりにも閉鎖的な住宅では、快適に暮らすことは出来ません。明るい外部からは暗い室内が見えにくく、遠い人の動きは気にならないなどという人の性質を計算して、閉じる工夫は最低限にとどめることが大切です。