本能中枢劇団「リボンの心得」 - コラム - 専門家プロファイル

高安 重一
有限会社アーキテクチャー・ラボ 代表取締役
東京都
建築家

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閲覧数順 2024年04月25日更新

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本能中枢劇団「リボンの心得」

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6年前に竣工した「東新小岩ーTN」のクライアントである西島明が率いる「本能中枢劇団」。

ここのところ毎年「こまばアゴラ劇場」で公演を行っていて、
今年は「リボンの心得」を6/26まで公演中。
どんな劇団かは、西島氏が書いている言葉が本能中枢劇団のHPにあって、
これが一番適している説明だと思うので、転載する。
http://honchu.net/

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本能中枢劇団を始めるにあたって

ぼくはただ、秩序だった物語には観客としても飽きているので、シーンを「物語ること」に代わる「部分」や「カケラ」のように並べ、わからなくても眠くならない舞台を作りたいと思ったのです。

そのためには、マンジュウをわきの下で暖める女や、氷をつめたランドセルに顔をつけて涼む男などを登場させ、舞台と客席が体臭や体温のイメージを互いの中枢神経を通して共有する必要がある、と本能的に思っています。
2009年3月 主宰 西島明
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西島氏から設計の依頼を受けた際に印象に残っている話しがあって、
いろんな設計者の資料を見て「夢」という言葉を使っている設計者はリストから除いたと言っていた。
「一緒に家づくりの夢を実現しましょう」とか、そういう言葉は疑わしいとのこと。
設計中も「夜気は苦手」というような言葉でイメージを伝えられたのをよく覚えている。

とにかく今回の舞台も部分の集積が脈絡もないようであるような絡み方をして、
いつまで続くかわからない展開が至福の時間を紡ぎ出していた。
部分の集積が建築の空間だとすると、この演劇は強く空間を感じさせるし、
それを作るのは一人ではできないところも建築と同じ。

そんなわけで、こんな脚本を書く人の頭の構造を理解しようというのはなかなか難しいとしても、役者や舞台美術、振り付けのスタッフなどと、どのようにコミュニケーションをとっているのかは是非とも知りたい。
その現場はきっと刺激に満ちていると思う。

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