取材の進め方 - 文章・原稿 - 専門家プロファイル

岩井美樹
有限会社リリアプロジェクト コミュニケーションプランナー
福岡県
コピーライター

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対象:文章制作・編集

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取材の進め方

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「なかなか取材の要領がつかめない」と、感じる広報担当者様や原稿制作を始めたばかりの方もきっと多いハズ。ICレコーダーがあるからと、安心してはいけません。

緊張と興奮で気持ちが高揚していて、話をきちんと聞けなかったり、撮影のタイミングをはずしてしまって、いい写真が撮れなかったり・・・。

一期一会の貴重な取材を最大限に活かせる内容にするためにも、後悔しない取材の進め方を自分なりにチェックしておきましょう。

 

▲写真は、バリのアグン山にあるブサキ寺院にて。

海外取材は地元の人々に溶け込むために、その国の服に着替え、約束事に従い取材を行うようにしています。

 

 

取材で用意するもの

ノートとペン。カメラ、ICレコーダーもあると便利。

海外やアウトドアタイプの取材では、ペンは首から下げておくタイプも使いやすい。

ノートは、私の場合、海外では小さなメモ帳(リングとじ)を何冊も持参します。

 

取材のポイント

1)天候を調べておく。

取材で最優先したいのは、撮影のタイミング。いい写真を取るための環境と時間を考えておくこと。

実は私は晴れ女。20余年の取材で雨で困ったことがありません。選んで行っていることと。土砂降りでも撮影に入るとすっかり晴れたり、取材中は大晴天で取材が終わった後に雷雨なんてことも。

2)取材対象者にあらかじめ質問や準備してほしいことを連絡しておく。

服装や過去の写真や撮りたい品々などを用意してもらったり、質問したい内容を伝えておきましょう。

事前に下見に行けなくて、手順が複雑な取材の場合は、どんな順番で行うかなどの打ち合わせが相手方と必要。

3)取材したいこと・手順をノートに書き留めておく。

4)取材者や取材先の名前、正式名称を確認する。

私は当日、ご本人に直筆で書いていただいています。また、数名の対談者の場合は、名前と顔の不一致を防ぐため、 絵を描いたり、名前札を持っていただき、カメラで写真を撮ったりします。また、声のトーンや話し癖なども書き留めて、ICレコーダーで聞いたときの混乱対策も必要です。

5)撮影のタイミングを優先する。

いい写真が撮れなくては、現場に行った意味も半減します。明るいとき、いいコンディションで撮影を行い、写真を撮りながらコミュニケーションを深め、取材しやすい雰囲気をつくりましょう。私の場合、軽く話をうかがって、撮影を行い、さらに詳しく取材などの手順も多いです。

6)食事を取材中にとるときは臨機応変に。

食事の用意がある場合、特に対談などで食べながら行うときは特に気配りが必要です。

普通の取材の場合・・・始まる前にいただいたり、終わって気持ちよくいただきますと伝えましょう。どうするかは臨機応変に。

対談の場合・・・対談者は食事をしながらの会話ということもあります。スタッフとしては食べている時間がないので、事前か終わってからとるようにしましょう。

また、相手の方や他のスタッフを制したりなど、無礼な態度にならないように気をつけましょう。

7)聞こえなかったところ、分からない部分はもう一度聞く。

書くのはあなたです。だから聞こえなかったり、あいまいなところは、丁寧にもう一度聞き返すようにしましょう。

8)ノートにメモるのは、聞こえない部分。

相手が大きな声で話したところだけを書き取っているなんていうこともありがち。レコーダーでも拾えていなくて、意味不明・・・。なんてことにならないように、メモるときは、「誰がどうした」「何がどうなった」などのポイントをおさえ、その方の感情や呟きを、話し言葉そのままで書き取りましょう。

特に、小さな声や早口のところ、聞いたこともない固有名詞・名称などは、ポイント的に書き留めて、後でご本人に確認しましょう。外国語の場合、スペルなども書いてもらうと、後で助かりますよ。

9)長居しすぎない。

相手のお話をうかがう取材時間は、内容にもよりますが、40分~1時間半が目安です。撮影時間は含んだり含まなかったりします。もちろん、人数などで、長時間必要な場合もあります。

長く話すことで、相手の方も疲れてしまわれることも。また、感動が深すぎて、話し込んだりすると、逆に、文章にした際に、「私がした話と違う。もっと内容はこうだった」という感情がすれ違う悲惨な結果になったなど、似たようなトラブルを数件聞いたことがあります。

余談ですが、王貞治監督のインタヴューでは感動しました。30分しかない取材だったのですが、15分間で普通の方の40分間位の量の話をされました。とにかく、会話がキャッチボールのように進むのです。判断して返す言葉が適確。残り15分で、一緒に見学に来られた10名近い方々との和気あいあいの撮影タイムまでとれて、大満足と感動のひとときでした。

10)できるだけ早く文章にする。

時間をおき過ぎると、忘れていくもの。早めに文章にして、自分なりに反すうしておきましょう。

時間がないときは仕方ありませんが、書いてすぐに提出するより1日ほど寝かせて読み返すと、頭がリフレッシュして、さらに精度を高められるようです。

もし、組み立てに迷ったり、自信がないときは、信頼できる編集者に相談することがベスト。できるふりは、文章の世界では重荷になります。長く続かなくなるので注意してくださいね。

 

さあ、ドキドキワクワクの、楽しく、印象的な取材を行えたら素敵ですね。

いい出会いが、たくさんありますように!

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