
- 遠藤 浩
- 遠藤浩建築設計事務所
- 埼玉県
- 建築家
対象:住宅設計・構造
今更ですが、良く比較されるハウスメーカーとの違いです。
まず 設計の進め方が違います。
ハウスメーカーでは自由設計といってもパターンが決まっています。
しかし システム化されていますので、システムに合いさえすれば、さまざまな先の見通しが立ちます。
プランも直ぐ出来るし、工事費も早い段階でわかります。
そこで、契約となるわけです。
設計事務所は 最初に概略をヒアリング、スケッチし契約をしていただきます。
それから、お施主さんといっしょに2人3脚で試行錯誤しながら練り上げていきます。
全てがオーダーで出来、他にはないその方だけの家を創り上げるわけです。
工事費に関しても同じように、いっしょに、必要なもの不必要なものを選り分けながら調整していきます。
2つ目は 設計料が違います。
ハウスメーカーでは 設計料的なもの(設計料、システム開発費、宣伝費、営業経費、展示場の経費等)総工費の30~35%が工事額に含まれています。(特に見積項目があるわけでなく 全体に行き渡って入っています。)
有名女優を使ったCM、展示場の住宅、立派な社屋、多くの営業マン、システム開発などいろいろな経費がかかるのでしかたありません。
2000万の家は 2700万に、3000万の家は 4050万位になります。
設計事務所で“いっしょに創って行きましょう”というのと違い、自動車と同じように メーカーが商品化した家を与えてくれる、提供してくれるものなので、お施主さんにとって、マイホームを手に入れる行為がかなり楽になります。
一方 設計事務所では、総工費の10~15%位が設計料ですので、金額だけの比較では、これだけの開きがあります。ただ、いっしょに創って行かなくてはならないので、大変です。商品をポン!と買うのとは分けが違います。
3つ目は プランが違います。
ハウスメーカーは、6帖、8帖、10帖というような部屋を並べ、機能を満たしていくプランの作り方です。あまり難しくは考えず、誰にでも分り易いプランが出来ます。
設計事務所では その敷地が持っている固有の条件を読み取り、光や風の入り方や 四季の過ごし易さ、気持ち良さを考えます。そして家族の関わり合い方を演出したり 使い勝手等を考慮しながら 微妙にプランを変えつつ全体の構成を考えていきます。
そこに その方だけの家が 誕生するわけです。
システム化では 割り切れない設計者のセンスが発揮されます。
それを 最初から最後まで その設計者がトータルで設計監理することで完成させます。
さて、あなたならどちらにご自分の家を託されますか?
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