感じを受けますよね。
全体的にはぼんやりと暗いですが、落ち着いた感じでしょうか。
これは現代建築と日本建築との違いによるもので、光環境の観点からも
大きな違いがあります。
現代建築は、室奥への採光性能を高めるため、窓はある程度高い位置に
設けられることが一般的で、またひさしが小さい(あるいはない)ため
太陽光が直接室内に入りやすく、上から下への光の流れとなります。
床面の反射率が低く、天井や壁面の反射率が高いこともこの傾向を
強くしています。
それに対して日本建築は、空からの光が深いひさしに遮られて直接室内に
差し込むことはなく、地表や濡れ縁に反射した光が下から上に向かって
斜めに室内に差し込むことになります。
さらに室内においても床の畳の反射率が比較的高いのに比べて、砂壁や
木の天井は反射率があまり高くないため、下から上へ向かう光が強調される
ことになります。
但し障子紙や木といった拡散性の強い素材を透過あるいは反射した光で
あるため、指向性の強い光はありません。
このことが室内に繊細な光のグラデーションを創り出し、独特の落ち着いた
雰囲気を醸し出しているのです。
お寺では畳の上に正座して、光の流れについて思いを馳せてみましょう。