「さようなら」、広告、映像の企画・演出術 #3 - クリエイティブ制作全般 - 専門家プロファイル

山藤 惠三
有限会社エスオープランニング 代表取締役 クリエイティブディレクター
東京都
クリエイティブディレクター

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対象:クリエイティブ制作

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「さようなら」、広告、映像の企画・演出術 #3

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デザインと企画、その気持ちイイ関係。 企画・デザイン、その発想法
2009年、今年の流行語大賞が発表されています。
「事業仕分け」「子ども店長」「新型インフルエンザ」などいろいろあります。
大賞はやはり「政権交代」でした、初の民主党政権に軍配が上がりました。

こんにちは、山藤(サンドウ)です。

「さようなら」、広告、映像の企画・演出術として、美しい言葉、''「さようなら」''について少し考えよう、のシリーズです。
広告の中での使われ方、映像の中でのセリフの重さなどコラムを書いています。

お疲れ様でした、
じゃあ、またね、
それじゃ、よろしく〜、


など、人々が別れるときに、使う言葉はイロイロあります。
しかしながら、「さようなら」と言う言葉は、いつのころからか使われなくなってきています。
それは、なぜでしょうか?

別れの挨拶を大別すると、



1 神のような存在のご加護を願う言葉:“Good-bye”、“Adieu”、“Adios”、“Addio”など
2 「再び会いましょう」という意味の言葉:“See you Again”、“Au revoir”、“再見”、“Auf Wiedersehen”など
3 「お元気で」という意味の言葉:“Farewell”など

の3タイプがあります。

「さようなら」や「さらば」は、


本来「然(さ)あらば」「さようであるならば」ということで、
「前に述べられた事柄を受けて、次に新しい行動・判断を起こそうとするときに使う」とされています。
もともと接続の言葉、であり、先の3タイプのどれにも当てはまりません。

いまでもよく使われる「では」や「じゃあ」も基本的には同じ言葉遣いで、
もとを辿れば10世紀頃からこうした別れの言葉は使われてきたといいます。

では、人が「さようなら」と口にするとき「前に述べられた事柄」すなわち「前に起きた出来事」をどう受けとめてきたのでしょうか。

作家の竹内 整一さんは人生最大の別れである「死」に対する捉え方や「おのずから」と「みずから」の違い、
偶然性と必然性に対する態度などから、その受けとめ方を探っています。

結論を言えば


「さようなら」の背後には両義的な意味合いがある、
ということです。
この、両義的な意味、2つの意味とはどんな内容なのでしょうか?

次回は、「さようなら」の裏側に隠されている驚くべき、
2つの意味について書いてゆきます。

参考書籍 : 竹内 整一著『日本人はなぜ「さようなら」と別れるのか』

オールアバウト/専門プロファイル、山藤

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